ボクシングのWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチが30日、大阪府立体育館第2競技場で行われ、チャンピオンの名城信男(六島)が挑戦者で同級1位のウーゴ・カサレス(メキシコ)と引き分け、ベルトを守った。名城は今年4月に冨山浩之介(ワタナベ)を8RTKOで下しており、王座に返り咲いてからは2度目の防衛。判定は名城とカサレスが1人ずつ、もう1人は引き分けと三者三様できわどい勝負だった。
 序盤から前に出たのはチャンピオン。挑戦者は打ち合いに転じる場面もあったが距離をとり、カウンターを狙う。名城のパンチは何発かクリーンヒットしたが後が続かない。むしろオーソドックスからサウスポーに切り替えるなど、バリエーションに富んだ攻めをみせるカサレスに分があるようにも見えた。

 中盤に入ると、王者のパンチが顔面をとらえ、カサレスの足が止まり始める。しかし、挑戦者も反撃をみせ、決定打を打たせない。8Rには名城の左フックにカサレスが倒れたものの、スリップの判定。チャンピオンが相手をロープやコーナーに追い込むシーンが多かったが、必ずチャレンジャーも打ち返して一進一退の攻防が続く。

 最終12Rは激しい打ち合いになった。名城は連打で相手を倒しにかかるが、カサレスも踏ん張り、勝負は判定へ。結果は116−112、114−114、112−116と3人がいずれもバラバラのジャッジ。得意のスタミナ勝負に持ち込み、終盤はペースをつかんだ王者だが、序盤の戦いをどう見たかで点数が分かれた。