関西独立リーグに来季より参入予定だった三重スリーアローズが、リーグから脱退することを発表した。関西、東海地区を拠点とする新リーグを立ち上げ、来春の開幕を目指す。三重の壁矢慶一郎代表は8月より運営会社「株式会社関西・東海リーグ」の代表取締役を務めていたが辞任する。
 三重が主導する新リーグには兵庫県淡路市を中心とする新球団が設立、参入の動きがある。三重は既に元ヤクルトの松岡弘氏の監督就任が決定。元中日の谷沢健一氏がATO(アドバイザー・ツー・オーナー)となり、練習場や選手寮などの環境を整えている。新リーグの選手待遇は月額15万円を2〜10月まで9カ月間支給。経費削減で来季の給与を月額8万円プラス出来高払いとした関西独立リーグとは違いを出した。

 しかし、まだ新リーグの構想には未確定部分も多い。関西独立リーグとエリアが重なることから、選手やスポンサーの取り合いが起こることも予想され、両立には不安が募る。「1から10まで全部準備したと思っても、始まってみれば想定は狂う。クリアしなくてはいけないことが100くらいあるんですよ」。四国・九州アイランドリーグの立ち上げ時期を知る経営者はこう語っていた。関西独立リーグとの方向性の違いから生まれた新リーグも、綿密な準備と安定した経営基盤なしでは、その二の舞になるリスクがある。