大阪ゴールドビリケーンズは19日、関西独立リーグを脱退し、三重スリーアローズが中心となって設立準備を進めている新独立リーグ、ジャパン・フューチャーリーグ(JFL)への参入を進めることを発表した。関西独立リーグでは今月初めに現行の4球団で来季も継続することを決めたばかり。今季は前後期を制した初代王者の離脱でリーグは窮地に立たされることになった。
 村上隆行(元近鉄)監督の下、前後期ともに優勝を飾った大阪だが、経営面では苦しい状況に陥っていた。運営会社の撤退により、見込んでいたリーグの分配金が入らず、シーズン途中に選手給与を月額20万円から50%カットして乗り切った。現時点では来季の資金調達のメドが立っていないため、新たなオーナーを探しているところだ。球団側は「『選手給与、運営資金も思うようにならない』厳しい現実の中で、今年の二の舞は避け、何とか本来の目的のために球団を存続させるべく、女子リーグ加盟や別リーグの移籍等、様々な可能性を考えてまいりました」と脱退に至った経緯を説明した。

 このままでは来季、関西独立リーグは3球団による運営となり、リーグ戦の実施自体が困難な形になる。また大阪を拠点とする球団がなくなることで、スポンサー営業の面でもマイナスが生じるのは必至だ。
 一方の大阪球団もJFL参入には乗り越えなくてはいけないハードルがある。JFLでは選手の待遇を月額15万円、契約期間9カ月と定めており、来季は月額8万円プラス出来高払いとした関西独立リーグと比べると、それなりの資金が必要だ。球団側はJFLに参入したほうがスポンサー確保などでメリットがあると判断したようだが、こちらもリーグの形が明確に見えているわけではない。まずは地元に根ざした安定した経営基盤を確立しない限り、いずれにしても「今年の二の舞」に陥る危険性がある。