ナ・リーグのチャンピオンシップは19日、第3戦が行われ、フィラデルフィア・フィリーズがロサンゼルス・ドジャースを下し、2勝1敗と対戦成績でリードした。ドジャースは首痛で離脱していた黒田博樹を先発に立てたが大乱調。初回に4点を失うと、2回も立ち直りの兆しが見えず、1回3分の1を投げて6安打6失点の内容で敗戦投手となった。序盤に大量リードを奪ったフィリーズは11−0の大勝。ドジャース打線はフィリーズ先発のクリフ・リーに8回をわずか3安打に封じ込められた。
 シリーズの流れを左右する大事な一戦で2回も持たずKO。昨年のチャンピオンシップ第3戦で同じフィリーズ相手に勝利投手となった再現は果たせなかった。

 この日の黒田はコントロールに苦しんだ。立ち上がりからボールが先行し、ストライクを取りにいったところを打たれた。初回の1死1、3塁のピンチでは、このポストシーズンで打率.409、9打点と当たっているライアン・ハワードにカウント1−3からライト線に先制タイムリーを運ばれた。続くジェイソン・ワースにもカウント1−2からセンターへ2ランを叩きこまれ、計4失点。完全に試合の主導権を奪われた。

 さらに2回も先頭の8番カルロス・ルイスに左中間へ2塁打を許すと、1死後、カウント1−3と苦しくなったところをジミー・ロリンズにライト線を破られた。復調の気配がみえない右腕に、ベンチは交代の決断を下すしかなかった。

 今季の黒田は左脇腹痛や頭部への打球直撃で戦線を離れた時期が多く、成績は8勝止まり。それでも今季の開幕投手を務め、昨季のポストシーズンで2戦2勝をあげた背番号18にジョー・トーリ監督は期待をかけていた。昨季、フィリーズに敗れてリーグ優勝を逃したドジャースにとって、敵地に乗り込んでの3戦目は是が非でも取りたかった。本人にとってもチームにとっても痛い1敗となった。

◇ナ・リーグ
 好調ハワード、先制の2点打(フィリーズ2勝1敗、シチズンズバンク・パーク)
ロサンゼルス・ドジャース    0 = 000000000
フィラデルフィア・フィリーズ 11 = 42002003×
勝利投手 リー(1勝0敗)
敗戦投手 黒田(0勝1敗)
本塁打   (フ)ワース1号2ラン、ビクトリーノ1号3ラン