メジャーリーグのプレーオフは20日、ナ・リーグのチャンピオンシップ第4戦でフィラデルフィア・フィリーズが逆転サヨナラでロサンゼルス・ドジャースを下し、対戦成績を3勝1敗としてリーグ優勝に王手をかけた。初回に2点を先行したフィリーズだっだが、この日は中盤に逆転を許す苦しい展開。しかし、1点を追う最終回、2死1、2塁からジミー・ロリンズの打球が右中間を突破。2者が一気にホームインし、5−4で逆転サヨナラ勝ちをおさめた。ドジャースは守護神のジョナサン・ブロックストンが最後に打たれ、後がなくなった。
 一方、ア・リーグのチャンピオンシップ第3戦は本拠地に戻ったロサンゼルス・エンゼルスがニューヨーク・ヤンキースとの延長11回の激闘を制し、対戦成績を1勝2敗とした。序盤に3点リードを許したエンゼルスは2本の本塁打で追いつき、7回には1点を勝ち越す。しかし、ヤンキースも8回にホルヘ・ポサダのソロが飛び出し、同点。2戦連続の延長戦に突入する。そして11回、2死1塁からエンゼルスのジェフ・マシスがタイムリー2塁打を放ち、1塁走者が生還。5−4でサヨナラ勝ちをおさめた。「5番・DH」で出場した松井秀喜は2打数1安打で、8回に四球を選んだ際に代走を送られ、ベンチに退いた。

◇ナ・リーグ
 主砲ハワード、8試合連続打点(フィリーズ3勝1敗、シチズンズバンク・パーク)
ロサンゼルス・ドジャース   4 = 000211000
フィラデルフィア・フィリーズ 5 = 200001002×
勝利投手 リッジ(1勝0敗1S)
敗戦投手 ブロックストン(0勝1敗1S)
本塁打   (ド)ケンプ1号ソロ
       (フ)ハワード2号2ラン

◇ア・リーグ
 途中出場のマシス、サヨナラ打(エンゼルス1勝2敗、エンゼル・スタジアム)
ニューヨーク・ヤンキース 4 = 100110010 00
ロサンゼルス・エンゼルス 5 = 000012100 01× (延長11回)
勝利投手 サンタナ(1勝1敗)
敗戦投手 アセベス(0勝1敗)
本塁打   (ヤ)ジーター2号ソロ、ロドリゲス2号ソロ、デイモン1号ソロ、ポサダ1号ソロ
       (エ)ケンドリック1号ソロ、ゲレーロ1号2ラン

【松井成績】
 2打数1安打
第1打席 右前安打
第2打席 四球
第3打席 空振り三振
第4打席 四球

<マリナーズ・城島、日本球界復帰へ>

 シアトル・マリナーズの城島健司捕手がチームを退団することが決まった。城島は2011年まで総額2400万ドル(21億6000万円)の契約を結んでいたが、これを破棄した。本人は日本球界復帰を望んでおり、阪神が獲得の意向を示している。また古巣の福岡ソフトバンクも獲得を検討する模様だ。交渉がまとまれば、来季は5年ぶりの日本でのプレーとなる。

 ダイエー(ソフトバンク)で3度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献した城島は、06年にFA移籍でマリナーズに入団。捕手として史上初の日本人メジャーリーガーとなった。初年度からレギュラーを獲得し、打っては日本人の1年目では最多となる18本塁打を放った。2年目も守備率、盗塁阻止率でメジャートップの数字を残したものの、2008シーズンは打撃不振もあって正捕手の座から陥落。112試合の出場にとどまった。

 今季は3月のWBCでサムライジャパンの一員として日本の優勝に貢献。チームでもドン・ワカマツ新監督の下、レギュラー復帰の構想があったが、今度は右太ももの肉離れや右足の親指骨折など故障に悩まされた。結局、移籍後最低となる71試合の出場で、打率.247、9本塁打、22打点の成績に終わった。メジャー4年間の通算成績は462試合、打率.268、48本塁打、198打点。

 マリナーズは城島不在の中、若い捕手が育ち、来季のレギュラーが確約されているとはいえない状況だ。また家族を残しての単身赴任生活を送っており、第一線で活躍できるうちに日本でプレーしたいとの思いが強くなったとみられる。来季は34歳を迎えるとはいえ、強肩強打は健在で現時点の日本球界ナンバーワン捕手であることは間違いない。激しい争奪戦が起こりそうだ。