ワールドシリーズは30日、第2戦が行われ、初戦を落としたニューヨーク・ヤンキースがフィラデルフィア・フィリーズを3−1で下し、対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。1−1の同点で迎えた6回、2死無走者から松井秀喜が勝ち越しのソロを放った。投げては先発のA.J.バーネットが7回を1失点の好投。守護神のマリアーノ・リベラを8回からつぎこんで、接戦をモノにした。「5番・DH」で先発した松井はワールドシリーズ通算2本目のホームランを含む3打数2安打1打点で勝利に貢献した。
 松井、大舞台で6年ぶりのアーチ(ヤンキース1勝1敗、ヤンキー・スタジアム)
フィラデルフィア・フィリーズ 1 = 010000000
ニューヨーク・ヤンキース   3 = 00010110×
勝利投手 バーネット(1勝0敗)
敗戦投手 マルティネス(0勝1敗)
セーブ   リベラ(1S)
本塁打   (ヤ)テシェイラ1号ソロ、松井1号ソロ

【松井成績】
 3打数2安打1打点
第1打席 右前安打
第2打席 四球
第3打席 右本塁打 1打点
第4打席 空振り三振

 技ありの一発だった。6回裏、カウント2−1と追い込まれての5球目。低めに沈む内角低めに沈む難しいボールを見事にすくいあげた。夜空に舞いあがった白球は歓声をあげるファンの待つライトスタンドへ。松井にとっては移籍1年目の2003年、第2戦で3ランを放って以来となるワールドシリーズでの本塁打。去就が注目される男の一振りで、ヤンキースがシリーズの流れを五分に戻した。

 先発はヤンキースが5年連続2ケタ勝利中のバーネット、フィリーズはサイ・ヤング賞に3度輝いたベテラン右腕のぺドロ・マルティネスがマウンドに上がった。両者とも初回は三者凡退と静かな立ち上がり。だが、2回、フィリーズは2死からラウル・イバニェス、マット・ステアーズの連打で1点を先行する。その裏、ヤンキースは松井がチーム初安打で出塁するが、後続が打ち取られ、序盤はフィリーズのペースで試合が進んだ。

 イヤな流れを変えたのが、今季メジャーリーグで30球団トップの本数を誇った本塁打だ。4回、先頭のマーク・テシェイラが外のボールを引っ張って右中間へ運ぶ。打球はそのままスタンドイン。ヤンキースがわずか一振りで1−1の同点に追いついた。これが6回の松井の勝ち越し弾につながった。松井は過去レギュラーシーズンで28打数4安打を苦手にしていた待つティネスを相手にマルチヒット。ヤンキースは7回にも代打のホルヘ・ポサダがタイムリーを放ち、貴重な追加点をあげる。

 先に1点を失ったバーネットだが、6回、7回と相手の攻撃を3人で片付け、強打のフィリーズに反撃の糸口を与えない。8回の頭からはリベラを投入する盤石の必勝リレー。リベラはいずれの回も得点圏に走者を背負う内容ながら、要所を締めて逃げ切りに成功した。フィリーズは第1戦で2本塁打を記録したチェイス・アットリー、主砲のライアン・ハワードがそろって無安打に終わり、打線が火を吹かなかった。第3戦は1日の移動日を挟み、場所をフィリーズの本拠地に移して11月1日に行われる。