MLB2009シーズンのラストを締めくくるワールドシリーズが29日、開幕し、ナショナルリーグ覇者で連覇を狙うフィラデルフィア・フィリーズが、アメリカンリーグを制して9年ぶりの王座奪還を目指すニューヨーク・ヤンキースを下し、初戦を制した。フィリーズは先発左腕のクリフ・リーが好投。最終回に1点を失って完封こそ逃したものの、完投勝ちをおさめた。「6番・DH」で先発出場したヤンキースの松井秀喜は3打数1安打だった。
 アットリー、2打席連続ホーマー(フィリーズ1勝、ヤンキー・スタジアム)
フィラデルフィア・フィリーズ 6 = 001001022
ニューヨーク・ヤンキース   1 = 000000001
勝利投手 リー(1勝0敗)
敗戦投手 CC.サバシア(0勝1敗)
本塁打   (フ)アットリー1号ソロ、2号ソロ

【松井成績】
 3打数1安打
第1打席 空振り三振
第2打席 中前安打
第3打席 三ゴロ

 フィリーズのリーvs.ヤンキースのCC.サバシア。今年のワールドシリーズはサイ・ヤング賞経験のある左腕同士の先発で幕を開けた。ポストシーズンも好調な両投手だけに、試合は投手戦が予想された。

 立ち上がり、サバシアは制球に苦しみ、2四球もあって2死満塁のピンチを迎えたが、無失点で切り抜ける。一方のリーは初回を三者凡退に封じ、2回も松井を空振り三振に切ってとるなど、無難な投球を見せた。

 試合が動いたのは3回、レギュラーシーン、ともにリーグトップの本塁打数を記録した強力打線から一発が飛び出した。打ったのはフィリーズのチェイス・アットリー。ファールで粘り、フルカウントからの9球目を叩くと、打球はライトスタンドへ。3番打者のソロアーチでフィリーズが1点を先行する。

 ただ、その後は両左腕が安定したピッチングでスコアボードにゼロが並ぶ。5回、ヤンキースは松井のヒットで無死1塁のチャンスを迎えるが、続くロビンソン・カノのショートライナーで松井が飛び出し、ダブルプレー。緩急をうまく使ったリーを攻略できない。

 勝敗を左右する次の1点がどちらに入るのかが注目された後半、得点はまたもや一発でもたらされた。6回表フィリーズの攻撃、1死無走者でバッターは前打席でホームランを放っているアットリー。カウント2−0と追い込まれながら、低めのストレートに対してバットを振り抜く。打球は今度もライトスタンドへ。中軸の2打席連続ホーマーでフィリーズが待望の追加点をあげた。

 こうなると試合はフィリーズのペース。ヤンキースのリリーフ陣を捕まえ、8回にはラウル・イバニェスのタイムリーで2点を追加する。さらに最終回も主砲ライアン・ハワードにタイムリーが飛び出すなど、さらに2点。6−0として試合を決定づけた。

 リーは最終回に連打と味方のエラーも重なって、1点を返されたものの、122球を投げて6安打1失点(自責0)の完投勝ち。ヤンキースは先頭のデレク・ジーターが猛打賞と気を吐いたが、主砲アレックス・ロドリゲスが3三振で音なしだった。第2戦は同じくヤンキー・スタジアムで30日に行われる。