今年の独立リーグ王者を決定する「日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2009」が24日、群馬・藤岡球場で開幕した。第1戦、BCリーグチャンピオンの群馬ダイヤモンドペガサスは四国・九州アイランドリーグチャンピオンの高知ファイティングドッグス先発・吉川岳の立ち上がりを突き、初回に丹羽良太、小西翔のタイムリーで2点を先制。しかし、先発の大木拓朗が3回に1点、4回に3点を失い、逆転を許す。反撃したい打線だったが、走者を出しながらあと1本が出ず、相手を攻略できない。逆にリリーフ陣が失点を喫し、2−6で初戦を落とした。
 丹羽、先制打含む猛打賞も実らず(高知1勝、藤岡、1,512人)
高知ファイティングドッグス 6 = 001310001
群馬ダイヤモンドペガサス 2 = 200000000
勝利投手 吉川(1勝0敗)
敗戦投手 大木(0勝1敗)
本塁打   (高)オ1号ソロ

 大事な初戦の先発を任されたのは、高知がリーグ最多勝左腕の吉川岳、群馬は20歳の右腕・大木拓朗。いずれもリーグチャンピオンシップの初戦に先発し、好投しており、試合は投手戦が予想された。

 だが、ゲームは初回から動く。高知は初回、先頭打者のYAMASHINが左中間を破る3塁打を放ち、いきなり先制のチャンスを迎える。続く2番・西本泰承の浅いレフトフライで、俊足のYAMASHINはタッチアップ。本塁をねらったが、レフト・丹羽良太の好返球もあり、タッチアウトになった。

 絶好の機会を逃した高知に対し、その裏、群馬も同様に先頭の山田憲がレフト前ヒットで出塁する。送りバントで得点圏に走者を進め、打席には守りで好プレーをみせた丹羽。甘く入った2球目を叩くとライトフェンスを直撃するタイムリー2塁打となり、群馬が先取点を奪う。さらに2死後、小西翔が三遊間を破り、1点を追加。初回の攻防が明暗を分け、まずはホームの群馬が流れをつかんだ。

 高知の反撃は3回、1死後、この日9番に入った指名打者のオ・ムヨルの一発だった。打った瞬間それと分かる特大のソロアーチ。リーグチャンピオンシップでもサヨナラ満塁弾を放っているラッキーボーイの一発でベンチの雰囲気を変えた。続く4回、闘犬打線がつながりをみせる。先頭の古卿大知がファールで粘って四球を選ぶと、4番カラバイヨのヒットで1、2塁。1死後、梶田宙の当たりは三遊間を突破し、同点のランナーを2塁から迎え入れた。なおも2死1、2塁とチャンスは続き、8番・流大輔が初球を引っ張る。打球は右中間を抜ける走者一掃の3塁打。高知が一気に逆転し、4−2と2点を勝ち越した。
 
 さらに5回、群馬2番手・川野智洋からYAMASHINがヒットと二盗で好機を広げ、古卿のセカンド強襲安打で1点を加える。投げては吉川が徐々に調子を取り戻し、5回、6回とリーグトップのチーム打率を誇る群馬打線を三者凡退に封じた。ただ、攻撃ではその後、得点圏に走者を進めながら、追加点を奪えず、ダメを押せない。

 すると8回、群馬に最大のチャンスが訪れる。球数が110球を超えた吉川に対し、先頭の丹羽、4番・井野口祐介がこの試合初めての連打。続く小西は大きなライトフライに倒れたが、6番・吉越佑太が粘って四球を選び、すべての塁が埋まる。長打が出れば同点、一発が出れば逆転の場面で、迎えるはリーグ戦で6本塁打を記録している川村修司。しかし、難しい低めのボールに手を出し、浅いライトへの飛球に終わる。続く8番・青木清隆の打席では前の塁が詰まっているにもかかわらず、1塁走者が飛び出し、タッチアウト。痛恨のミスで群馬は無得点に終わり、勝敗の行方がほぼ決した。

 高知は9回、主砲カラバイヨにタイムリーが生まれて、待望のダメ押し点。吉川は最後まで投げきって、リーグチャンピオンシップから3試合連続の完投勝利をおさめた。群馬は相手バッテリーから盗塁を奪えず、リーグ史上最多の101盗塁を誇った足を生かせなかった。第2戦は25日17時から上毛新聞敷島球場で行われる。