日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2009は25日、群馬・上毛新聞敷島球場で第2戦が行われ、四国・九州アイランドリーグチャンピオンの高知ファイティングドッグスはBCリーグチャンピオンの群馬ダイヤモンドペガサスを3−1で下し、2連勝で独立リーグ日本一に王手をかけた。1−1で迎えた9回、2死満塁のチャンスで4番・カラバイヨがタイムリー2塁打を放ち、2点を勝ち越し。投げては先発の元阪神・伊代野貴照が群馬打線を3安打に抑え、完投勝ちをおさめた。
 初戦に続き、2試合連続の完投勝利(高知2勝、上毛新聞敷島、1,783人)
高知ファイティングドッグス 3 = 100000002
群馬ダイヤモンドペガサス 1 = 010000000
勝利投手 伊代野(1勝0敗)
敗戦投手 清水(0勝1敗)

 初戦を制した高知の先発は元阪神の伊代野貴照。レギュラーシーズンはクローザーを務めていたが、リーグチャンピオンシップでは先発にまわり、アイランドリーグ選抜チームの一員として参加した宮崎のフェニックス・リーグでも好投をみせた。一方、負けられない群馬はリーグ防御率トップの堤雅貴を先発に立てた。19歳ながらMAX150キロを超える速球を誇り、ドラフト候補として注目を集めている。

 第1戦同様、ゲームは初回から動いた。高知は先頭のYAMASHINが四球で歩き、すかさず二盗でチャンスを広げる。だが1死後、3番・古卿大知の打席で三盗を試みてタッチアウト。好機はついえたかに思えた。しかし、ここから古卿は四球を選び、4番・カラバイヨが打球をレフトに運んで、再び得点圏に走者を進める。ここで中村龍央がセンターにはじき返して、2塁走者が生還。その裏、群馬は先頭の山田憲がヒットで出塁するも、後続が倒れ、初戦の勢いがそのまま表れた攻防となった。

 早く追いつきたい群馬は2回、先頭の井野口祐介が四球を選ぶ。続く鈴木伸太朗の打席でベンチはエンドランを敢行。セカンドゴロの間に井野口は2塁に進んだ。さらに川村修司の打席で井野口は三盗を成功。セカンドゴロで同点のホームを踏む。群馬は初戦に使えなかった機動力を生かし、試合を振り出しに戻した。

 その後、試合は高知がやや押し気味で進む。伊代野は3回、4回と相手の攻撃を3人で片付け、危なげない投球をみせる。5回の2死満塁のピンチも、2番・小田智康を初球でピッチャーゴロに打ち取り、勝ち越し点を与えない。一方、打線はコントロールが定まらない堤に対し、3回は1死1、2塁、5回は1死2、3塁の好機をつくるも、あと1本が出ない。6回も梶田宙のレフト線2塁打でチャンスメイクするが、後が続かず、試合は膠着状態で終盤に突入した。

 先に勝ち越しのチャンスを得たのは群馬だった。8回、先頭の青木清隆がヒットで塁に出る。1番・山田の打席でバッテリーミスが生まれ、青木は2塁へ。さらに山田が死球を受け、無死1、2塁と走者がたまる。ここで2番・小田は送りバントをみせるが、伊代野が素早く捕って3塁へ送球。2塁走者がアウトになり、失敗に終わった。続く廣神聖哉のレフト前へのライナーがレフトを守るYAMASHINに好捕される不運もあり、ホームが遠い。

 最終回、群馬は139球を投げていた堤を代え、前日も2回3分の2を投げた清水貴之をマウンドに上げる。球数を考慮すればやむを得ない交代だったが、これが裏目に出た。清水はいきなり先頭の流大輔に四球を与え、送りバントで2塁に走者を進められる。その後、ヒットと四球で2死満塁。1点もやれない群馬は小暮尚史を投入し、高知の主砲カラバイヨを抑えにかかる。しかし、ベネズエラの強打者はフルカウントから強烈な打球を左中間に飛ばし、2者が生還。待望の勝ち越し点は高知に入った。

 伊代野は最終回も投げきり、初戦の吉川岳に続き、2試合連続の完投勝ち。高知はリーグチャンピオンシップからポストシーズン5連勝となった。対する群馬はホームで痛い連敗。1週間のインターバルで流れをどこまで変えられるかがポイントになる。第3戦からは場所を高知に移し、31日より再開する。