３日、プロ野球日本シリーズ第３戦が東京ドームで行なわれ、試合の後半に打線のつながりが出た巨人が７−４で北海道日本ハムを下した。ホーム初戦をモノにした巨人が対戦成績を２勝１敗とし、日本一に向けて一歩リードした。
◇第３戦
小笠原、２安打３打点の活躍（巨人２勝１敗、東京ドーム）
北海道日本ハム ４ ＝ １１００１００１０
巨人 ７ ＝ ０２１０２００２×
勝利投手 オビスポ（１勝０敗）
敗戦投手 糸数（０勝１敗）
セーブ クルーン（２Ｓ）
本塁打 （日）稲葉２号ソロ、小谷野１号ソロ、田中１号ソロ
（巨）李１号ソロ、阿部１号ソロ、小笠原１号ソロ
１勝１敗で迎えた第３戦、前半は全得点がソロホームランと激しい空中戦となった。
初回、３番・稲葉篤紀のソロで先制した日本ハムは、２回表にも６番・小谷野栄一に一発が出て２点をリードした。しかし、巨人はその裏、６番イ・スンヨプ、７番・阿部慎之助の２者連続ホームランで試合を振り出しに戻した。そして３回裏、３番・小笠原道大のソロで巨人がリードを奪うも、５回表には１番・田中賢介がライトスタンドへ同点弾を放ち、再び振り出しに戻る。
ようやく打線がつながったのは５回裏の巨人。２死から１番・坂本勇人が四球で出塁すると、２番・松本哲也がヒットで続いた。打席には前の打席でホームランを放っている小笠原が入った。小笠原は日本ハム先発・糸数敬作の落ちきらないフォークをとらえ、フェンス直撃となる二塁打を放った。これが走者一掃のタイムリーとなり、両チーム通じてこの試合初めてつなぎのバッティングで巨人が２点をリードした。
７回表は２番手・越智大祐が無失点に抑え、巨人は必勝パターンに持ち込む。８回表は磐石のリレーで山口哲也がマウンドに上がった。ところが、その山口が自らのミスでピンチを招いた。先頭の田中を死球で出すと、その田中を牽制悪送球で二塁へ進めてしまう。さらに代打・森本稀哲をショートゴロに打ち取るも、ショート坂本の送球をファーストのイ・スンヨプがグラブから落とし、その間に田中が生還した。
山口は次打者・稲葉を四球で出し、無死一、二塁と再びランナーをスコアリングポジションに置いた。ここで原辰徳監督自らマウンドへ向かい、山口を鼓舞した。これで気合を入れなおした山口は４番・高橋信二を４−６−３の併殺打に仕留めると、続く５番・スレッジには低めのスライダーでセカンドゴロに打ち取り、なんとかリードを守った。
その裏、今度は日本ハムのリリーフ陣が崩れた。７回から３番手としてマウンドに上がった菊池和正が１死から小笠原をストレートの四球、ラミレスを内野安打で出した。ここで日本ハムは菊池から宮西尚生にスイッチした。宮西は５番・亀井義行をセンターフライに打ち取り、２死とするも、一、三塁となる。日本ハムが江尻慎太郎に代えると、巨人は谷佳知を代打に送った。その谷を江尻がストレートの四球で出し、満塁とした。打席には阿部を迎える。江尻はカウント０−１とし、５球続けてストライクが入らない。そして２球目、ストレートが今度はど真ん中へ。これを阿部が見逃さなかった。鋭く振り抜いた打球がライトへ運ばれると、２走者が返り、巨人のリードは３点となった。
そして９回表、巨人は守護神クルーンをマウンドへ。クルーンは２死から自らの悪送球でランナーを出すも、最後は代打で出場した中田翔を空振り三振に仕留めた。
これで日本シリーズ通算100勝目を達成し、対戦成績を２勝１敗とした巨人は明日の第４戦をとれば、７年ぶりの日本一に王手をかける。