10日、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝が東京・国立競技場で行なわれ、浦項スティーラーズ(韓国)がアルイテハド(サウジアラビア)を2−1で下し、アジアチャンピオンの座に就いた。浦項は前身の大会であるアジアクラブ選手権を97、98年に連覇しており、アジアを制するのは実に11年ぶり、ACLの優勝は初めてとなる。同クラブはこの優勝で来月9日からUAEで行われるFIFAクラブワールドカップの出場権を獲得した。

 韓国勢として3年ぶりのアジア制覇(国立)
アルイテハド 1−2 浦事スティーラーズ
【得点】
[ア] ヌール(74分)
[浦] ノ・ビョンジュン(57分)、キム・ヒョンイル(66分)
 今大会から一発勝負の決勝戦に方式を変えたACL。一昨年の浦和レッズ、昨年のガンバ大阪に続くJリーグ勢の決勝進出が期待されたが、準決勝で名古屋が敗れたことで、国立のピッチに日本勢が立つことは叶わなかった。

 決勝に駒を進めたアルイテハドと浦項は立ち上がりから積極的に相手ゴール向かった。細かくパスを繋ぐ浦項に対し、身体能力に長けたFWタカルにロングパスをつなぐアルイテハド。両者とも持ち味を出しながら攻めの形を作るが、決め手を欠き前半はスコアレスで折り返す。

 後半開始直後はアルイテハドペースで進んだが、試合の均衡を破ったのは浦項だった。後半12分、デニウソンがゴール正面で倒されて得たFKをノ・ビョンジュンが直接ゴールに叩き込み先制点を挙げる。さらにその9分後、右サイドからのFKにキム・ヒョンイルが頭で合わせ追加点。セットプレーから2点を奪い、頂点に一気に近づいた。

 対するアルイテハドも29分に1点を返すものの浦項DF陣の体を張った守りを最後まで崩せず、試合は2対1で終了。浦項が中立地で開催された初めて決勝を制し、アジア王者の座に就いた。浦項がアジアの頂点に立つのは97年、98年に続き3度目。同じく3度目のアジア王者を狙ったアルイテハドを下し、アジアNo.1クラブとなった。

 記念すべき国立での決勝に日本勢が進出できなかったのは、非常に残念な点だ。決勝トーナメントに進出した名古屋と川崎フロンターレが、準々決勝に潰しあいをしてしまうという不運があった。たとえば、欧州チャンピオンズリーグでは大会規定があり、決勝トーナメントの初戦で同国対決が起こらない仕組みになっている。今年から新しいフォーマットで行われた大会だけに、今後改善する必要があるだろう。

 浦項は来月、UAE・アブダビで行われるFIFAクラブワールドカップに参加する。過去、3位以上の成績を収めたアジアのクラブは存在しない。欧州、南米勢の壁を破り決勝の舞台に駒を進めることができるか、歴史的快挙を目指して中東の地で世界と戦う。