2010シーズンの新入団選手採用を目的とした合同トライアウトは23日、さいたま市のロッテ浦和球場で1次テストが行われた。11月15日の高知開催に続く首都圏での実施。この日は計126名の応募があり、そのうち投手37名、野手60名が夢への第一歩となる場へチャレンジした。この中から同会場での特別合格者(リーグ入り内定)と2次テスト(12月13日、福岡雁の巣球場)に進出する合格者が決定し、25日に発表される。
(写真:今季、打撃2冠のカラバイヨに続けとベネズエラからも選手が参加した)
 前日は真冬のような寒さで雨も降った関東地方だったが、この日は晴天に恵まれ、気温も上昇。選手たちが自分の持ち味を出すには、絶好のコンディションとなった。午前中に50メートル走や遠投で基礎的な身体能力をチェックした後、シートノックや実戦形式のピッチング、バッティングを実施し、各球団の首脳陣が個々の実力を見極めた。

 日大山形高時代は甲子園に出場し、本塁打を放ったこともある舟生(ふにゅう)源太外野手は「大学を中退したが、野球を諦め切れなくて参加した。バッティングが得意なのでしっかりアピールしたい」と入念に素振りを繰り返していた。また、先の明治神宮大会で初優勝を飾った立正大から参加した村上祐基内野手は「大学では試合に出られなかった」と独立リーグからNPBを目指すことを決意。「守備、走塁には自信がある。50メートル走、遠投、ノックでは自分の力を出せた」と残る打撃面でのアピールへ意気込んでいた。またアイランドリーグ経験者では07年に徳島に在籍していた田久保賢植外野手、今季途中で長崎を退団した村越大豪投手がエントリー。BCリーグ、関西独立リーグの出身選手も新天地でのプレーを希望し、他の参加者とともにトライアウトに臨んでいた。
(写真:参加者が多数だったため、選手たちは短い時間でのアピールが求められた)

 一方、試験官を務める各球団の首脳陣は鋭い目で選手のレベルを確認。「投手、内野、外野で1人ずつはほしい」(高知)、「内野手と外野手が手薄なので補強したい」(長崎)、「ショートと4番候補を獲る方針」(徳島)などとそれぞれのチームのニーズに照らし合わせながら、気になった選手はメモをとっていた。ただ、「リーグ全体のレベルが上がっているので、参加する側によほど光るものがないと獲得しにくい」「確かに参加者全体のレベルは上がっているが、これといった選手はいない」など、厳しい声も聞かれた。

 会場が千葉ロッテの2軍の本拠地とあって、トライアウト中には同球団の角中勝也外野手、宮本裕司捕手、生山裕人内野手らリーグ出身のNPB選手やOBも球場を訪問。リーグの監督・コーチ陣や関係者と久々の再会を楽しんでいた。夢への足がかりをつかもうと奮闘する参加者たちの姿を目の当たりにして、自分たちの原点を再確認し、刺激を受けたに違いない。
(写真:球場にやってきたOBたち。2006年最多勝の相原雅也さん(右端)の姿も)

 リーグの鍵山誠CEOは「ジャパン・フューチャーリーグもできて、参加者が減るのではないかと心配したが、逆に昨年を上回るエントリーが集まっている。リーグの育成面が若い選手たちに認められてきた表れだと思う」と福岡の不参加で5球団となる来シーズンにも手ごたえを感じていた。トライアウトはこの後も28日に大阪の履正社茨木グラウンド)、12月12日に雁の巣球場で行われ、それぞれ特別合格者と1次テスト合格者が決まる。1次テストを通過した選手は12月13日に雁の巣球場で開催される2次テストに進み、その合格者が特別合格者とともに、14日のドラフト会議で各球団に割り振られる。


<愛媛、球団トライアウト開催>

【開催日時、場所】
 12月20日(日) 愛媛銀行総合グラウンド
【応募資格】
 2010年4月1日時点の満年齢が15歳以上で義務教育を修了している男子
 元NPB選手も受験可

【応募要項】
 1.球団公式サイトよりエントリー用紙を印刷
 2.エントリー用紙送付先をFAXでトライアウト連絡事務局へ連絡し、郵送にて受取(受付期間は12月13日(日)まで)
 以上いずれかの方法でエントリー用紙を入手し、必要事項(写真添付必須)を記入後、返送先を記入し、80円切手を貼り付けた返信用封筒を同封の上、各会場の受付期間内に必着で郵送してください。また、自身の球歴や実績を証明するもの(新聞記事等)があれば必ず送付ください。
 受付後、受験票と詳細案内を返信用封筒にて送付します。

【締切日】
 12月13日(日)必着
【受験料】
 5,000円 (当日に持参)

【注意】
・トライアウトの前日までに、高校生は所属都道府県の高野連へ所属高校を通じて、大学生は所属大学野球連盟へ「プロ野球志望届」を提出してください。
 未提出の場合はトライアウトを受験できません。
・四国・九州アイランドリーグはプロ野球となるため、大学(短期大学を含む)、専修学校、各種学校、高等学校、中学校を卒業または中途退学して日本野球連盟所属の社会人チームに選手登録した者は下記の期間、国内の独立リーグと選手契約をすることはできません。ただし、加盟チームの解散や活動休止中に伴う場合は適用されません。
 大学、専修学校および各種学校……2シーズン
 高等学校、中学校……3シーズン(ただし、卒業または中退後1シーズン以上経過後に登録した場合は2シーズン)
 元NPBの登録選手……2シーズン
・当日、報道関係者には氏名、出身校などのプロフィールを公開致しますので、ご了承ください。

【申込、問合先】
 愛媛マンダリンパイレーツ球団株式会社「入団テスト」係
〒790-0932 愛媛県松山市東石井6−12−36 丸亀町第3ビル4階
TEL 089-914-8102 FAX 089-914-8103
 担当:小澤