男子プロゴルフツアーは6日、この日最終日を迎えた日本シリーズJTカップをもって今季の全日程が終了し、18歳の石川遼が1億8352万4051円を獲得して、史上最年少の賞金王に輝いた。これまでの記録は尾崎将司の26歳で、これを大幅に更新した。日本ゴルフツアー機構によると、18歳での賞金王は世界の主要男子プロツアーでも最年少記録だという。プロ2年目の石川は今季、6月のミズノオープンで優勝するなど、4勝をマーク。今回のJTカップでは通算3オーバーの19位タイに終わったが、逆転を狙った賞金ランキング2位の池田勇太が、通算7オーバーの23位タイに沈み、逃げ切った。
 18歳の進化は想像をはるかに超えていた。今季は序盤こそなかなか結果が出なかったが、6月に初勝利をおさめると、8月のサン・クロレラクラシックで2勝目をあげ、賞金ランキングトップへ。その後も9月のフジサンケイクラシック、10月のコカ・コーラ東海クラシックと月1ペースで優勝を飾り、獲得賞金は早くも1億円を突破した。そんな石川の前に立ちふさがったのが、23歳の池田だ。10月に2勝をあげて、石川を逆転。どちらが賞金王になっても史上最年少記録となる若手同士の対決は大きくクローズアップされた。

 しかし、池田は腰、手首のケガの影響もあり、以降は10位以内に入れず。石川は11月の三井住友VISA太平洋マスターズで4位タイとなり、再び賞金トップに立つと、先週のカシオワールドオープンでも単独2位の成績でリードを広げた。今回のJTカップでは池田が優勝すれば、逆転賞金王の可能性が残されていたが、初日から最下位と出遅れ、万事休した。なお、今大会は丸山茂樹がプレーオフの末、勝利をおさめ、国内ツアーでは10年ぶりとなる復活Vを遂げた。

「賞金王の重みがよく分かった。来年はもっと努力して、結果はどうなるか分からないが頑張りたい」
 今年は憧れのマスターズや、全英オープンに出場するなど、海外のメジャー大会でも経験を積んだ。日本プロゴルフ選手権や日本オープンなどの国内メジャー制覇も時間の問題だろう。「最大の目標はマスターズ制覇」。小学4年生で抱いた夢の実現へ、ボールはピンめがけて一直線に飛んでいる。