雪の日の記憶

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  今年の冬は、例年より寒い。しかも雪が多い。先日、福岡の空港に降り立つと、小雪が舞っていた。

ホテルに入ってテレビをつけると、真っ白に雪化粧された街並みが映っていた。北海道か東北かと思ったら、鹿児島のとある街だった。

四国では積雪のため高速道路が封鎖されたという話を耳にした。12月に、これだけの大雪は珍しい。

もっとも四国だからと言って雪が降らないわけではない。みかん畑に雪が積もり、あぜ道で足を滑らせたこともある。

収穫期には、よく親の手伝いをさせられた。一輪車でみかんを運ぶのが子どもの仕事だが、あぜ道で足を滑らせ、一輪車もろとも、下の畑に転がり落ちたこともある。

すると、父親からこっぴどく怒られたものだ。「みかんを粗末にするヤツがあるか!」。ケガをしても、誰も振り向きもしなかった。

だからなのか、雪が降ると、今でも辛い日の記憶がよみがえる。小遣いは10円か20円。帰り道に駄菓子屋でグリコかパラソルチョコレートを買った。それが唯一の楽しみだった。これが昭和の一風景である。

(編集長N)
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