プロ野球が開幕しました。僕は評論家として各球団の状況を取材しているわけではありませんので、願望も込めて今季のペナントレースを予想したいと思います。

 ズバリ、今季の優勝は広島カープです。その理由はエースと4番がしっかりしているから。エースは言わずと知れたマエケン(前田健太)で、4番は昨年、途中加入でAクラス入りに貢献したキラ・カアイフエが頼りになります。

 投打の軸を支える選手たちも充実してきました。先発は大竹寛が抜けたものの、期待のルーキー大瀬良大地を獲得。ブライアン・バリントン、野村祐輔らとともに先発の頭数は揃っています。打線も丸佳浩、菊池涼介の1、2番が定着し、オーダーが固まってきました。

 ただ、優勝争いの経験がないだけに、競り合いをどれだけモノにできるか。ベンチワークがカギを握るでしょう。

 対する巨人は4番打者は多いものの、エースと呼べる存在がいません。実績のある内海哲也、杉内俊哉もオープン戦のピッチングをみる限り、今ひとつです。カープにつけいるスキは十二分にあるとみています。

 カープ、巨人に次いでAクラスに入るのは中日でしょう。そのキーマンとなるのは我らがガイナーズから入団した又吉克樹です。開幕1軍を勝ちとり、2試合連続で無失点。セットアッパーの浅尾拓也が故障離脱しているものの、彼が勝ち試合のリリーフとして50~60試合に登板するような活躍をみせれば、強力ブルペンができるでしょう。

 彼らを巧みに谷繁選手兼任監督がリードすれば上位にくいこんでくることは間違いありません。監督がマスクをかぶっているのですから、ピッチャーはそのサインを信じて思い切って投げられます。これは兼任のメリットとなるのではないでしょうか。

 一方のパ・リーグは大補強をした福岡ソフトバンクが頭ひとつ抜けています。中田賢一、ブライアン・ウルフ、ジェイソン・スタンリッジ、デニス・サファテ……投手陣も先発、リリーフと駒を揃えました。キャッチャーも鶴岡慎也が加わり、センターラインが強化されています。大型補強といってもバランスがとれており、スキがありません。

 対抗できるとしたら千葉ロッテでしょう。ここも涌井秀章がFA移籍し、新人の石川歩が計算できそうです。3位だった昨季より投手力はアップしています。また話題の“アジャ”こと井上晴哉はしっかりバットが振れる上に柔らかく、故障で戦列を離れている今江敏晃も戻ってくれば打線に厚みが出るでしょう。
 
 3位は東北楽天です。田中将大がヤンキースに移籍した穴は大きいものがあります。新人の松井裕樹もどれだけやれるかは未知数です。スライダーは一級品ですから、将来を見据えて星野仙一監督がどのように使っていくのか注目ですね。

 昨年の日本シリーズは楽天と巨人の東日本対決でした。今季はカープとソフトバンクの西日本対決で盛り上げてほしいものです。

 そして球団を問わず、アイランドリーグの出身選手には1軍で頑張ってくれることを願っています。今回、開幕1軍には又吉をはじめ、ロッテ・角中勝也(元高知)、ソフトバンク・金無英(元福岡)、東京ヤクルト・三輪正義(元香川)、横浜DeNA・西森将司(元香川)と6名が入りました。彼らにはぜひ1年間、1軍の戦力として働いてほしいと思います。

 開幕は2軍スタートとなった選手たちにも長いシーズンでチャンスは必ずあります。決してくさることなく、昇格の機会を逃さないよう結果を出してほしいですね。
 
 アイランドリーグも5日の開幕です。NPBに負けない熱戦を四国の中で展開できれば、と考えています。そのためには皆さんの応援も不可欠です。今季もひとりでも多くの方に球場でお会いできるのを楽しみにしています。

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