アイランドリーグの開幕まで、あと1カ月。実戦もスタートし、打順や投手の役割分担を決める時期に入ってきています。
これまでは開幕しても4月の間はいろんな選手を試しながらチームづくりを進めてきましたが、今季のガイナーズは主力が大幅に抜け、決して層も厚くありません。例年とは違い、開幕からレギュラーを固定して戦っていくことになるでしょう。若い選手も多いですから、打線が機能するまではオーダーも変えずに我慢強く起用していきたいです。
ここまでの実戦では、新人や若手がクリーンアップに入るジクザグ打線を組んでいます。トップバッターはスイッチヒッターの尾中博俊。走攻守3拍子揃った内野手で昨年まではレンジャーズ傘下のマイナーリーグでプレーしていました。
ただ、昨年は3Aでの試合出場が少なく、練習も十分にできなかった面があるようです。その点、アイランドリーグでは試合経験を積め、トレーニングもできます。才能を伸ばして、今オフのNPB入りを目指してほしいものです。
クリーンアップは3番に左の原口翔(伯和ビクトリーズ)を置く予定です。彼はミートがしっかりしており、追い込まれても対応できる技術を持っています。近藤智勝コーチの下、守備を鍛えており、大型ショートとして育てられればと考えています。吸収力のある選手ですから、四国でレベルアップできればドラフト指名のチャンスも出てくるでしょう。
5番の中本翔太(伯和ビクトリーズ)は中距離ヒッター。まだ結果は出ていませんが、打つ雰囲気を持っています。守備には難があり、ファーストでの起用になりますが、その分、バッティングで力を発揮してもらいたいですね。
4番候補の宗雪将司も含め、どの選手も四国での実績はほとんどありません。桜井広大、国本和俊、島袋翔伍がいた昨年の打線と比べると少々、物足りなさを感じる方もいらっしゃるでしょう。
でも僕は、どうなるか分からないだけに楽しみな部分も多いと思っています。もちろん、うまくいかないこともあるでしょう。でも、このリーグでは試合がたくさんあり、取り戻すチャンスはいくらでもあります。物事は考えよう。いかにマイナスをプラスに転じるかが重要です。
ソチ五輪ではフィギュアスケート女子で浅田真央ちゃんが、ショートプログラムで大失敗をしながらフリーで最高の演技を見せました。僕もテレビで見て本当に感動しました。選手たちにも話をしましたが、真央ちゃんのようにミスを“倍返し”できる強い選手になってほしいと願っています。
NPBでは先日のオープン戦でオリックスのアレッサンドロ・マエストリ、中日の又吉克樹と元ガイナーズ組が揃って登板しました。1年目の又吉は2段モーションを指摘されてフォームを修正し、練習試合では押し出し四球を出したと聞いていたので心配しながら中継を見ましたが、この日は香川で良かった時のピッチングをしていましたね。
ややボールが先行した場面もあったものの、危なげなく三者凡退。首位打者経験もある鉄平にインサイドを突いて三振をとるなど、課題の左バッターもきちんと抑えました。まだまだ1軍で活躍するには課題があるでしょうが、又吉には、まずは自分の持ち味を見失わないよう、特徴を生かすことに集中してほしいと感じています。それができれば十分、開幕1軍は可能でしょう。
元愛媛の巨人・土田瑞起が、オープン戦で結果を出して支配下登録を勝ち取り、10年目のシーズンを前にアイランドリーグには明るいニュースが届いています。OBたちに負けないよう、四国でもいい選手を育てて盛り上げていきたいものです。
(このコーナーは毎月1日に更新します)
◎バックナンバーはこちらから