横浜から立て続けにうれしいニュースが飛び込んできました。ガイナーズ戦士だった西森将司、冨田康祐が相次いで支配下登録されたのです。

 特にキャッチャーの西森は後半戦スタートから1軍登録され、7月27日には初打席で初ヒットを放っています。しかもタイムリーで打点がつきました。

 彼は香川にいた時から右方向に打つのがうまい選手。初ヒットはまさに長所を生かしたバッティングで、セカンドの頭上を越しました。

 プロの世界は最終的には結果がすべて。練習でいくら良くても試合で力を発揮しなくて生き残れません。その点、西森は実戦向きであることを中畑清監督にアピールしました。

 残念ながらキャッチャーとしての出場はなく2軍に落とされてしまいましたが、最初のチャンスをモノにしたことで次の機会は必ず巡ってくることでしょう。初ヒットを自信に2軍で今まで以上に実績を重ねてほしいものです。

 冨田に関してはリリーフとしての評価が高く、かねてから支配下登録の話は聞こえてきていました。スピードは1軍クラスだけに、あとはコントロール。攻める姿勢を忘れず、ストライク先行のピッチングをしていけば、変化球も生きてきます。

 夏場はピッチャーが1枚でも多いに越したことはありません。2軍で好投を続け、早く1軍へ推薦されるように頑張ってほしいですね。

 西森も冨田もここからがNPB選手としての本当の勝負です。現在、DeNAはクライマックスシリーズ進出へAクラス争いをしています。その戦力となるべく、常に2軍で準備を怠らないことが大切です。

 2年前のドラフトで指名を受けた瞬間、西森も冨田も会見場で歓喜に沸きました。特に西森は大粒のうれし涙を流したことを覚えています。今回、支配下登録された時も喜びでいっぱいだったことでしょう。この気持ちを絶対に忘れることなく、さらなる飛躍を祈っています。

 そんなOBたちに我らがガイナーズもあやかりたいところですが、後期は開幕からつまづき、最下位に沈んでいます。前期の勝因となった投手陣も暑い時期に入って、疲労が隠せません。セットアッパー左腕の後藤真人が肩の炎症で離脱するなどケガ人も出てきました。

 ドラフト候補のエース、又吉克樹も後半戦は白星なしの3連敗。調子は悪くないものの、どのチームも打倒・又吉で対策を練ってきています。ただでさえ、アイランドリーグは炎天下の試合も多く、夏はピッチャーにとって不利な環境です。包囲網をかいくぐって成績を上げるのは容易ではありません。

 ただ、又吉がNPBで本当に活躍するピッチャーになるには、この壁を乗り越える必要があります。NPBはバッターのレベルも高く、試合数もアイランドリーグよりも多いわけですから、フィジカル、テクニックともにレベルアップは不可欠です。

 これをいい経験として、又吉には走り込みやフォームの微調整、変化球の精度アップに一層、取り組んでもらいたいと考えています。そして、秋にはNPBのスカウトに一回り大きくなった姿をみせてほしいものです。

 借金6の現状は、残り試合を2勝1敗ペースでいっても優勝ラインに届くか微妙なところです。結果が出ないと、どうしてもチーム内の雰囲気も暗くなります。

 ただ、いくら落ち込んでも試合はやってくる。その点は気持ちを切り替えて前へ進むタフさもプロは求められます。ここまでの11試合はいったんリセットし、次の10試合をいかに戦うか。僕も、まずはそのことに集中してチームを率いるつもりです。そして9月末のリーグチャンピオンシップをいいかたちで迎えられるよう選手の力を伸ばしていきます。

 間もなく夏の甲子園も開幕しますね。我々はプロですから、高校とは一味も二味も違う質の高いゲームをファンの皆さんにお見せすることも目標にやっていきたいと考えています。今は香川のファンには申し訳ない成績ですが、ここから実りの秋へチーム状態を上げていきます。引き続きの応援、よろしくお願いします。

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