プロ野球が開幕し、どの球場も盛り上がっていましたね。特に注目されたのは2人の高卒ルーキー。大谷翔平(北海道日本ハム)と藤浪晋太郎(阪神)です。大谷は開幕スタメンで2安打。藤浪も敗れはしたものの、6回2失点と試合をつくりました。プロ野球に新しい風を吹かせてくれたような気がします。

 特に大谷は投手と野手の二刀流に挑戦する中での開幕スタメンですから立派なものです。しかも、いきなり結果を出したところに非凡さを感じます。

 テレビで彼の打撃を見ましたが、好球必打で思い切りの良さがあります。個人的にはバッターとして大きく育ててほしい思いもありますが、投手と両立させるというのは栗山英樹監督、日本ハムならではの発想でしょう。

 確かにメディアを通じての発言を見てもクレバーそうですし、自分を見失うことはないはずです。マスクも良く、名前の通り、スターとして大きく翔いてほしいですね。

 実は僕も大谷のように二刀流をチャレンジしそうになったことがあります。三村敏之監督から「もし延長でピッチャーが足りなくなった時のために」と、ピッチャーの準備もしておくように言われたのです。

 当時は延長15回まで試合があり、中日の大豊泰昭ら左の強打者がたくさんいました。僕もPL学園高では甲子園の優勝投手です。万が一に備えて、左のワンポイントとして使うプランを思いついたのでしょう。結局、実現はしませんでしたが、もしマウンドに上がっていたら話題になっていたことでしょう。

 アイランドリーグも、いよいよ6日の開幕です。オープン戦では投打ともいい状態できています。新人では沖縄出身の右腕・又吉克樹がサイドスローで、いい持ち味を出しています。広島2軍との交流試合でも7回1失点と好投し、高い評価を受けました。

 野手でもJFE東日本からきた内野手の生田目翔悟が走攻守にアピールしています。芯に当てるのがうまいだけにパワーがつけば、よりいいバッターになるでしょう。また大阪桐蔭高で2008年の甲子園優勝メンバーだった捕手の有山裕太もスローイングがよく、星野雄大(東京ヤクルト)が抜けた後のポジション争いに加わっています。

 ただ、新人選手は張り切りすぎて故障してしまうことも少なくありません。NPBでも香川から入団した星野、水口大地(埼玉西武)が揃ってケガをしてしまいました。これではいくらアピールしようにも不可能です。ですから目先の結果のみならす、先を見据えて体づくりにも取り組ませたいと考えています。

 どんなに実績のある選手でも開幕は結果が出るまで落ち着かないものです。経験の少ないアイランドリーグの選手はなおさらでしょう。僕のプランとしては最初の10試合は、極力、多くの選手を起用し、早く普段どおり野球ができる状況にしたいと考えています。

 結果を出し、チームに貢献する中で、自分の特徴を磨き、成長する。今季も選手を育成ながら勝利を追及していきたいと思っています。香川の皆さん、今季も球場で熱い声援をよろしくお願いします。

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