頑張れ、元アイランドリーガー
ガイナーズでクローザーとして前期優勝に貢献したアレックス・マエストリがオリックスへの入団が決まりました。選手育成リーグとして、今季からは各球団で外国人を獲得していましたから、その成果が早速出たのは喜ばしいことです。
マエストリは150キロのスピードボールにスライダー、チェンジアップの変化球も投げられます。しかし、何より評価されたのがコントロールがまとまっていることです。香川ではクローザーを務めていましたが、オリックスでは長いイニングを投げることも期待されているようです。
彼は適応能力の高さも長所のひとつ。外国人枠との兼ね合いもありますが、ぜひ、どこかでチャンスをつかんで1軍で投げる姿をみてみたいものです。
また、横浜DeNAでは元ガイナーズの福田岳洋と大原淳也が相次いで1軍に昇格しました。特に大原は2年目で初の1軍です。
大原は内野守備の良さがアピールポイント。残念ながら1試合、守備固めで出場しただけで2軍降格になってしまいましたが、また当たり前のプレーを当たり前に続けることで再昇格の目は出てくるはずです。
彼は香川では3割、10本塁打をマークするなど打撃も良かったのですが、NPBでは苦労していたと聞いています。ただ、僕は大原の打撃は香川時代のままでも充分、通用すると見ていました。
おそらくコーチのアドバイスで更なる高みを目指したのでしょうが、28歳という年齢を考えると、これは危険な賭けでした。もし1からやり直して打撃がバラバラになってしまったら、もう取り戻す時間はありません。
NPBの1軍で通用するためにはフォーム改造よりも、配球の読みや状況判断といった要素も大切になります。自分が何をすれば、1軍で使ってもらえる選手になれるのか。元アイランドリーガーたちには、その点を見極めながら自らのスタイルを磨き上げてほしいと願っています。
前期を制したガイナーズは後期、育成も重視した戦いを行っています。チームを底上げすべく、あえて桜井広大やペレスといった主力をはずして若手を起用するゲームをつくっています。
チームや選手たちの将来を考えると、勝利を求めつつも、多くのチャンスを与えて成長を促すことも大切です。時にはうまくいかないこともあるでしょう。しかし、彼らは近い将来、NPBで活躍する選手になる可能性を秘めています。その点をファンの皆さんにもぜひ理解していただき、長い目で見守っていただければうれしいです。
8月はホームのレクザムスタジアムで12試合が組まれています。五輪もNPBのプロ野球もいいですが、ぜひ夏休みに四国へも足を運んでみてはいかがでしょうか。球場でたくさんの皆さんの来場をお待ちしています。
(このコーナーは毎月1日に更新します)