日本ではJリーグが開幕し、インターネットを経由して情報は随時チェックしています。古巣の愛媛FCは開幕2試合を終えて1勝1分と好スタートを切りました。ケンゴ(石井謙伍)が2試合連続と頑張っているようですね。

 僕がいた時の愛媛はどうしても夏場に失速してしまう悪い傾向がありました。ただ、今季はキャンプから練習をハードにやっていると聞いています。厳しいトレーニングも、今後を見据えたものでしょう。暑い時期をそれなりに戦えれば、上位は見えてくると信じています。

 またJ1でも内田健太(清水エスパルス)が移籍して最初の試合でFKを決めました。僕も移籍をしたからよく分かりますが、デビュー戦で結果を出すのはなかなか難しいもの。これは内田にとって大きなアピールとなったことは間違いありません。

 開幕戦ではマナブ(齋藤学、横浜F・マリノス)もゴールをあげましたし、一緒にやってきた仲間が活躍するのはうれしいものです。と同時に、僕も頑張らなくては、と刺激を受けました。

 そんな17日のFAカップ、タイポー戦は勝てば準決勝進出という大事な試合。しかし、1-3と敗れてしまいました。前半は0-0だったにもかかわらず、後半に入って3失点。相手のクリアミスで1点を返したものの、及びませんでした。

 香港に来て約1カ月半が経ち、公式戦は4試合に出場しました。しかし、クラブは2分2敗。僕もノーゴールと結果を残せていないことは本当に悔しいです。

 僕はひとりでドリブル突破してゴールを決めるタイプではありません。前線にパスを出してもらい、そこで泥臭く得点を重ねるのが持ち味だと感じています。ところが、今はなかなか欲しいところへボールが出てこないのが現状です。

 練習ではチームメイトとコミュニケーションをとり、連携は徐々に良くなっています。ただ、最終的には僕が結果で示さないと、真の意味での信頼関係は成り立ちません。

 どんなにチーム内でしっくりこなくても、ゴールを決めれば世界は変わる。それがサッカーであり、勝負の世界です。僕もこれまで、そういう経験を何度も味わってきました。

 特に僕は海外から来た助っ人の位置づけです。クラブには現在、6名の外国人がいますが、試合に出られるのは4人まで。FW内の競争のみならず、外国人枠の問題とも戦わなくてはならない立場になっています。

 移籍直後の慌ただしかった時期も過ぎ、ようやく香港での生活にも慣れてきました。今も早くゴールが欲しいという気持ちに変わりはありませんが、最初は結果だけを求め過ぎて、やや空回りした部分もあったように思います。

 いくらゴールが決まらないからといって、焦りは禁物です。自分がしっかりプレーをすれば、結果は後からついてくる。そう信じて目の前の練習や試合に集中することが大事でしょう。

 タイポー戦の翌日はトレーナーからマッサージを受けた後、練習までの空き時間を利用して、一緒にいた若い選手たちと軽く食事に出かけました。ピッチでは主に英語でコミュニケーションをとっていますが、やはり日常会話は広東語のほうが溶け込めます。僕も約1カ月で、少しずつ広東語が分かるようになってきました。
(写真:クラブは20代前半の選手が大半を占める)

 幸い漢字という共通項がありますから、聞いたり、話したりは不十分でも、ある程度、筆談でやりとりできます。彼らとは食事をしながら、漢字を書いていろいろな話をしました。中でも下ネタ系の話は万国共通で盛り上がりますね(笑)。

 こういった機会も重ねながら、お互いを理解し、ピッチでのプレーにうまくつなげられればと考えています。試合は17日、24日と2週連続でアウェー戦です。次回こそ、いいお知らせができるよう頑張ります!

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)
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