東京ヤクルトからFA宣言し、メジャーリーグ挑戦を目指していた五十嵐亮太投手がニューヨーク・メッツに入団することが決まった。球団が2年契約を結んだと発表した。年俸は来季が125万ドル(約1億1200万円)、2011年が175万ドル(1億5700万円)。メッツは吉井理人や野茂英雄、新庄剛史をはじめ、ヤクルト時代の同僚・石井一久や高津臣吾など、これまで最多10人の日本人選手が在籍経験を持つ。今季は広島から高橋建が入り、中継ぎ左腕としてプレーした。球団は抑えのフランシスコ・ロドリゲスにつなぐ右のセットアッパーとして期待している。
 五十嵐は98年に千葉・敬愛学園高からドラフト2位でヤクルトに入団。豪速球右腕として高校時代にメッツのスカウトが視察に来ていたこともある。プロでは2年目から1軍に定着し、00年にはリリーフで11勝をあげて、一時は最多勝争いも演じていた。以降、日本人最速となるMAX158キロの速球を武器にセットアッパー、クローザ―としてチームを支えた。06年に右ひじ靱帯を断裂して翌シーズンを棒に振ったものの、08年に復活。今季もセットアッパーとして21試合連続無失点の球団記録を更新するなど、56試合で2勝3敗2S(29ホールド)、防御率3.19の成績だった。実働10年での通算成績は507試合、47勝29敗54セーブ、630奪三振、防御率3.25。

 メッツは今季、ナ・リーグ東地区4位に沈んだ。シーズン途中に通算385セーブのビリー・ワグナー(ブレーブス)、このオフには同103セーブのJJ.プッツ(ホワイトソックス)とリリーバーが相次いで流出し、ブルペンが手薄になっている。巻き返しをはかるには、核になる中継ぎ投手の補強が急務だった。五十嵐はヒジの手術をして以降、球威で抑え込むスタイルからコントロール重視の投球にマイナーチェンジした。五十嵐並みのストレートを投げる投手はメジャーではごまんといるだけに、ヤクルト時代以上に繊細なピッチングができるかどうかが成功のカギを握る。