競輪界最高峰のレース『KEIRINグランプリ09』が30日に開催される。今年の舞台は京王閣競輪場。真っ先にゴール線を駆け抜け、優勝賞金1億円を手にするのは果たして誰なのか? 09年を通じて活躍したトップレーサー9人による熾烈な闘いの行方を、当サイト「INSIDE格闘技」の執筆者で、競輪にも造詣が深いスポーツジャーナリスト近藤隆夫氏にズバリ予想してもらった。
☆近藤隆夫・大予想☆

 6番車・山崎芳仁の存在が気になって仕方ない。
「これまでの2勤1休はやめて、一から作り直すつもりで乗り込んだ」
「新人のつもりでいく。相手の動きを待つのではない競争をしたい」
「今回は、4.17のギアで挑むことも考えている」
 山崎は捲りに構える……と見られているが、実は、そうではないのかもしれない。

 今年は9人のメンバーの中に生粋の追い込み型が、ひとりもいない。すべての選手が自力を備えている。そのため、動きの激しいレースになる可能性もあるが、関東、福島、岐阜のラインが形成されることを考えれば、意外に出入りの少ない、ゆるやかな展開になるようにも思う。

 選手のコメントから推察した並びは次の通りだ。
(1)平原−(8)武田−(3)神山(関東ライン)
(2)永井−(5)加藤(岐阜ライン)
(6)山崎−(4)伏見(福島ライン)
 そして(7)石丸と(9)海老根は単騎。
 石丸は、岐阜ラインの後ろ(3番手)を選択するかと思ったが、そうではなく捲り一発に賭けることを決めたようだ。

 さて先行するのは誰か?
 スポーツ紙各紙は『闘心会』でともに練習し、兄と慕う(5)加藤がつく(2)永井が有力だと見ており、もしかすると(1)平原も……と書き加えている。しかしライン2車の(2)永井は駆けるタイミングが難しく、また今年、G1を2度制した(1)平原も、犠牲駆けをするつもりはないだろう。位置取りに神経をとがらせる(7)石丸と(9)海老根を挟んで、牽制状態が生じるのではないか。

 ズバリ、かまして逃げるのは(6)山崎ではないかと私は見ている。11月の競輪祭では惨敗を喫したが、調子は戻している。そして4.17の大ギアへの挑戦。これは捲り用のセッティングではなく、かまして逃げるための選択だろう。ならば、恵まれるのは“番手絶好!”(4)伏見である。

 軸は、一昨年の覇者(4)伏見と決めた。
<3連単>(4)−(6)−(8)(9)(3)、(4)−(9)−(8)(1)(6)
<2車単>(4)−(6)、(4)−(9)、(4)−(1)
 そして<3連複>で、(4)−(7)−総流しがおもしろそうだ。1億円が賭かった大勝負、(6)山崎に勢いをもらった(4)伏見が遠慮なく踏み込む。単騎の(7)石丸は、無印だが復調気配。京王閣バンクとの相性も良い。高配当が見込める車券である。

 最後に、グランプリは今年で25回目を迎えるが、3連勝式が導入された2000年以降、◎本命、〇対抗でワンツーが決まったことは一度もない。そのことをお忘れなく。

<KEIRINグランプリ09出走表>

12月30日(水)16時30分発走
京王閣競輪場11R、2825m(7周)

  ×1[1] 平原康多 埼玉 87期 27歳 2年連続2度目 高松宮記念杯、競輪祭(11月)優勝
   2[2]  永井清史 岐阜 88期 26歳 2年連続2度目 賞金ランキング9位 
  ▲3[3] 神山雄一郎 栃木 61期 41歳 4年ぶり14度目 賞金ランキング6位
◎  4[4] 伏見俊昭 福島 75期 33歳 3年連続7度目 賞金ランキング4位
   4[5] 加藤慎平 岐阜 81期 31歳 4年ぶり2度目 賞金ランキング7位
〇  5[6]  山崎芳仁 福島 88期 30歳 4年連続4度目 競輪祭(1月)、全日本選抜優勝
×  5[7] 石丸寛之 岡山 76期 35歳 初出場 賞金ランキング8位
  〇6[8] 武田豊樹 茨城 88期 35歳 4年ぶり2度目 日本選手権、オールスター優勝
▲◎6[9] 海老根恵太 千葉 86期 32歳 初出場 寛仁親王牌優勝

・印は近藤氏予想、二宮清純予想の順
・枠番、連番、選手名、出身地、期別、年齢の順に記載
※必ず主催者発表のものと確認下さい。