23日、都内ホテルでミズノ株式会社と松井秀喜(エンゼルス)が会見を行ない、両者の間で結ばれているアドバイザリー契約の更新を発表した。松井はこれまでミズノと3年ごとの契約を結んできたが、今回の更新は4年間の長期契約となった。今年で36歳になる松井は「少なくとも4年は引退できないというプレッシャーもあるが、40歳までがんばって社員のみなさんの期待に応えていきたい」と笑顔で活躍を誓った。
(写真:「4年契約は感謝の気持ちでいっぱい」と松井選手)
 松井とミズノの関わりは非常に長く続いている。松井は「ミズノ野球用品は子供の頃からの憧れ。星陵高校の山下(智茂)監督へミズノからグラブを贈っていただき、それを監督からもらってサードを守りました。2年半同じグラブを使いましたが、その時の感動は今でも忘れられない」と甲子園を沸かせた頃のエピソードを披露した。一方、ミズノ株式会社水野明人社長も「小さい頃から(ミズノ野球用品を)使っていただいている。エンゼルスでもできる限りの支援をしていきたい」と用具面での全面サポートを約束した。両者のこれまでの蜜月を証明するのが、2010年1月から2013年12月までの4年に及ぶ契約の更新だ。スポーツメーカーがこれだけ長期間、一選手との契約を結ぶのは異例。それだけに今までに増して、今後の松井に対する期待の大きさが窺える。

 アドバイザリー契約更新発表と同時に、松井が今季から使用する用具も公開された。新しいバットはグリップエンドが1.8センチ太くなっており、グラブも手口部分を1.5センチ狭くするなど、昨季のものから改良が加えられている。松井は「大切なのは体との一体感。変更のイメージは昨季後半からイメージしてきたもの」と用具についてのこだわりを口にした。なお、ニューヨーク・ヤンキースからロサンゼルス・エンゼルスへ活躍の場を移したため、用具のカラーリングは青から赤へと変更されている。
(写真:エンゼルスカラーの赤が配色された新しい用具類)

 昨季はフィリーズとのワールドシリーズでMVPに輝く活躍をしたものの、1年間通してプレーすることはできなかった。また本人が熱望した外野の守備機会はなし。試合中にグラブを使用する機会はなかった。「(改良したグラブを)今年は試合中に使えるようになるといいですね」と語った松井。新天地では外野手としてのプレーぶりにも期待がかかる。

 悩まされている左膝の故障について「今のところ順調」とし、昨季異常の状態でシーズンを迎えられることを強調した。エンゼルスでは移籍したブラディミール・ゲレロの後釜として4番候補に挙げられている。松井がミズノの強力サポートの下、赤いユニフォームを身に纏いキャンプインするのは2月23日。まもなくゴジラの新たな挑戦が始まる。