16日、09−10欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦2ndレグがセビリア・サンチェス・ピスファンで行われ、CSKAモスクワ(スペイン)がセビージャを2−1で下し準々決勝進出を決めた。トップ下で先発出場した本田圭佑は前半39分に先制点をアシスト、さらに後半10分には決勝点となるフリーキックを直接叩きこみチームを勝利に導いた。本田の決勝ゴールはCL決勝トーナメントで日本人初のゴールとなった。

 本田が攻撃陣を牽引しスペインの強豪を撃破
◇3月16日 セビリア、サンチェス・ピスファン
セビージャ 1−2 CSKAモスクワ
【得点】
[セ] ディエゴ・ペロッティ(41分)
[モ] トマシュ・ネチド(39分)、本田圭佑(55分)
(※トータルスコア2−3でCSKAモスクワが準々決勝進出)
 本田が歴史を作った。セビージャとの2ndレグで1アシスト1ゴールの大活躍をみせCSKAモスクワを欧州ベスト8に導いた。

 1stレグに続いてトップ下に入った本田は試合開始直後からゴール前でチャンスを演出する。25分にはPA内でトマシュ・ネチドからのボールを受けゴール正面からシュート。GKに一度弾かれるが、倒れこみながらもはね返りを再び狙いゴールへの強い執念を見せた。アウェーながらもボールを保持したCSKAが試合のペースを握っていく。

 迎えた前半39分、本田はPA内でボールを受けるとネチドにラストパス。これをネチドが落ち着いてゴール右隅に流し込みCSKAが先制する。その2分後にセビージャが同点弾を叩き込み、一旦は追いつかれたものの本田をはじめとしたCSKA攻撃陣はセビージャゴールに迫り続けた。

 そして後半10分、CSKAはゴールから30m付近でFKを得る。キッカーの本田が鋭く左足を振りぬくと、ボールは様々な回転をしながらゴールに向かう。セビージャGKのアンドレス・パロップがキャッチを試みるも、シュートは直前で大きく変化しGKのファンブルを誘ってそのままゴールへ吸い込まれた。このゴールでトータルスコアは3対2となり、アウェーゴールを2つ決めたCSKAが大きなリードを奪った。

 勝利へは2ゴール必要となったセビージャはブラジル代表のルイス・ファビアーノやスペイン代表で売り出し中のヘスス・バナスらが反撃に転じたが、CSKA守備陣を崩すには至らず、試合はこのまま2対1で終了。本田の決勝点でCSKAモスクワがベスト8へ進出した。同クラブがCLでベスト8に入ったのは92−93シーズン以来17季ぶり、大会が現行のフォーマットとなってからは初めての快挙だ。快進撃の中心にいるのが本田であることは間違いない。

 本来のトップ下であるアラン・ジャゴエフが故障中にチャンスを掴んだ本田。ジャゴエフはケガから復帰を果たしているものの、本田がトップ下での先発の座を射止めている。ロシアリーグ開幕戦での決勝ゴールに続き、クラブを救う活躍を見せているだけに、本田の存在感はさらに大きくなっていく。CL準々決勝が行なわれるのは今月30日、31日から。更なる高みで本田がどのような活躍を見せてくれるのか。決勝点となったFKの破壊力はまさにワールドクラスだった。このゴールが世界中に配信され、一気に本田圭佑の名前は知れ渡っている。準々決勝での活躍次第では、ビッグクラブが獲得に動く可能性もあるだろう。本田は「夢はレアル・マドリッドでプレーすること」と語っている。セビリアでのゴールは、その夢へと向かう大きな一歩となったに違いない。

(大山暁生)