20日、プロ野球パ・リーグが開幕した。昨季覇者の北海道日本ハムと福岡ソフトバンクとの対決は、相手ミスから先取点を奪ったソフトバンクが効率よく得点を重ね、投げては小刻みな継投で逃げ切った。2年ぶりに本拠地で開幕を迎えた埼玉西武は千葉ロッテと対戦。白熱した投手対決となったが、終盤に一発が出た西武が1点差を制した。新指揮官同士の対決となったオリックスと東北楽天も投手戦となったが、大引啓次が貴重な決勝点を挙げ、投げては金子千尋が4安打無四球の好投で完封勝ちとオリックスが最高のスタートをきった。
 3年連続防御率1点台の日本ハム・ダルビッシュ有が完投、13三振を奪うも、まさかの5失点を喫し、黒星スタートとなった。2回表、1死二、三塁のピンチを招くと、味方のエラーで1点を献上。さらに松田宣浩の併殺崩れで2点目を失った。これでリズムを崩したダルビッシュは3、5回にはベテラン小久保裕紀にタイムリー、最終回には田上秀則の犠飛でダメ押しされた。打線もプロ3年目にして初めて1軍で開幕を迎え、スタメン出場した中田翔が2点タイムリーを放つも、それ以外では反撃することはできなかった。一方、ソフトバンクはエースの杉内俊哉が6回8安打3失点も粘りのピッチングでリードを守り、開幕戦初勝利、さらにダルビッシュとの対戦は6試合目にして初めて投げ勝った。

 横浜高出身同士の対決となった西武とロッテとの試合は4回まで両チームのスコアに「0」が並ぶ激しい投手戦となった。均衡が破れたのは5回表。今季キャプテンに抜擢された西岡剛のタイムリーでロッテが貴重な先取点を挙げた。投げては成瀬善久が5回までノーヒットとパーフェクトピッチングを披露した。しかし、7回裏に西武がパワーで反撃。中島裕之の一発で同点とすると、さらにブラウンも続き、逆転に成功すると、そのまま逃げ切った。涌井秀章は8回を投げて11奪三振、1失点の好投。さらに不安視されていた抑えもシコースキーが最終回を3者凡退に切ってとった。ロッテは期待された主砲の金泰均が4三振と日本プロ野球の洗礼を受けた。

 オリックスと楽天の試合も、金子、岩隈久志の激しい投げ合いとなった。試合を決めたのは3回裏のオリックス。1死三塁から大引が岩隈のフォークボールをとらえ、センター前へタイムリーヒット。これが決勝点となり、10年ぶりに本拠地で開幕を迎えたオリックスが幸先のよいスタートをきった。一方、楽天は1点が遠かった。4回には無死一塁の場面で昨季首位打者の鉄平が強攻策をしいたが、センターフライに倒れ、続く山崎武司は併殺打に。最終回も無死一塁で聖沢諒が併殺に終わるなど最後まで金子を攻略することができず、8回1失点と好投した岩隈を援護することができなかった。