ロサンゼルス・エンゼルスの松井秀喜は27日、本拠地でのクリーブランド・インディアンス戦に「4番・DH」で出場し、第3打席でライトにヒットを放ってメジャー通算1000安打を達成した。2003年に巨人からヤンキースに移籍した松井は、今季がメジャー8年目。日本人選手ではシアトル・マリナーズのイチロー(メジャー通算2055安打)に次ぐ2人目の記録達成となった。
 内角に落ちる球にうまく対応した。5回、先頭打者として打席に入った松井は、インディアンス先発デビッド・ハフのチェンジアップを弾き返した。1塁ベースを回ると電光掲示板で記録達成が紹介される。しかし、松井はファンの拍手に軽くヘルメットをとって応えるだけ。喜びは控えめだった。

 ピンストライプのユニホームに袖を通したデビュー戦から937試合目。初安打は2003年3月31日、トロント・ブルージェイズ戦でロイ・ハラディ(現フィリーズ)からメジャー初打席の初球をレフト前へ運んだ。それから1000本のヒットを積み重ねた道のりは決して平たんではなかった。2006年5月にはスライディングキャッチを試みた際に左手首を骨折。巨人時代から続いていた連続試合出場が1768で途切れた。その後も両ひざにメスを入れるなど、故障との戦いを余儀なくされた。ヒザの調子が悪くなると、どうしても打撃は下降線をたどる。ケガがなければもう少し早く大台をクリアしていたことは間違いない。

 しかし、温暖な西海岸に移り、赤いユニホームに身をまとった松井は開幕からチームの4番を任され、結果を残している。開幕戦では決勝打とダメ押し弾を放った。この日も1安打だったが、初回のチャンスでレフトへ犠飛を打ち、打点1を稼いだ。開幕ダッシュに失敗したチームも5−2で勝利して貯金を1とした。次なる通過点はあと2に迫った日米通算1500打点。主砲としてやるべき仕事は、まだたくさんある。