ボストン・レッドソックスの松坂大輔が7日、本拠地でのロサンゼルス・エンゼルス戦に登板し、6回途中5失点ながら味方の援護に助けられて今季初勝利をおさめた。「5番・DH」でスタメン出場したエンゼルス・松井秀喜との対決は2打数0安打。こちらも松坂に軍配が上がった。試合はレッドソックスが11−6で勝利し、4連勝となった一方、エンゼルスは泥沼の7連敗を喫した。
 白星がついたとはいえ、まだまだ本調子には程遠い投球だった。
 5回も持たず7失点でKOされた前回登板から中4日、今季2度目の先発マウンドに上がった松坂だが、初回から乱れた。先頭打者を2ナッシングと追い込みながら、4球連続ボールで歩かせると、続くボビー・アブレイユに対しても制球が定まらない。2者連続四球を与え、3番トリー・ハンターにはタイムリーを許して1点を失う。1死後、松井との今季初対決もボールが先行し、結局、フルカウントから四球。すべての塁が埋まり、ハウイ・ケンドリックの2塁打などで3点を奪われた。いきなりの初回4失点は、前回KOの悪夢が蘇るような内容だった。

 ただ、この日の松坂は2回以降、次第に立ち直る。2回をヒット1本に抑えると、続く3回は松井をレフトフライに仕留めるなど、3者凡退。リズムが出てきた右腕に3回裏、レッドソックスは女房役のビクトル・マルティネスが2ランを放って反撃を開始する。すると松坂は4回も2イニング連続の3者凡退で切り抜け、5回1死2塁のピンチも内野ゴロ2つで0点に抑えた。

 連勝中で波に乗るレッドソックス打線は5回、再びマルティネスがタイムリー2塁打を打って4−4の同点。さらにエンゼルスの先発左腕スコット・カズミアーの乱調につけこみ、この回、5点を奪って一気に試合をひっくり返す。攻撃陣のサポートにより、今季初勝利の権利を得た松坂は6回、先頭の松井を外のボールでセンターフライに打ち取り、その後、1死2塁のピンチを招いたところで2番手投手にマウンドを譲った。

 中継ぎの岡島秀樹らの継投で、松坂が勝ち投手になったものの、交代時は6回3点リードで球数92。2回以降は踏ん張ってきただけにエース級の投手であれば続投の場面だっただろう。そこでテリー・フランコーナ監督が交代を決断した事実が、背番号18に対する信頼度の低さを物語っている。白星を良薬に、投球内容も徐々に改善することができるか。完全復活には、まだ道半ばだ。

 なお、松井は7回の岡島との対決もファーストゴロに倒れ、3打数無安打。6試合連続で打点がなく、あと1としている日米通算1500打点達成は、またもお預けとなった。

<上原、メジャー復帰登板は1回零封>

 ボルチモア・オリオールズの上原浩治は7日、敵地でのミネソタ・ツインズ戦で昨年6月以来のメジャー復帰を果たした。2−0とリードした8回、マウンドに上がった上原は1回を3者凡退に封じ、チームの連敗ストップに貢献した。

 昨季、巨人からオリオールズ入りした上原は先発で初登板初勝利をあげたものの、5月に古傷の左太ももを痛めて戦線離脱。6月には右ひじの不調を訴えて(後に腱の部分断裂と判明)、残りのシーズンを棒に振った。勝ち星はわずか2勝(4敗)。日本時代を含めても最低の成績に終わった。復活を期した今シーズンもオープン戦で再び左太もも裏を負傷して出遅れ、この日、1カ月遅れでの開幕を迎えた。

 復帰登板となったマウンドは、2点リードの大事な終盤。先頭のマイケル・カダイアーをインコースの直球でセンターフライ、続く打者をアウトコースの直球で空振り三振に仕留めるなど、持ち前のストレートが走っていた。オリオールズは現在8勝21敗と低迷しており、上原の好投は地区最下位のチームに光を灯す明るい材料となりそうだ。