bjリーグは22、23日に有明コロシアムで「ファイナル４」が開催され、いよいよ今シーズンのチャンピオンが決定する。21日に行なわれた前日会見では、決戦を控えた４チームのヘッドコーチ（HC）がそれぞれ意気込みを語り、本番を直前にして互いに火花を散らした。
（写真：ファイナル４進出チームのHCらと河内コミッショナー＜中央＞）
　５年目を迎えたbjリーグ。「日本最強のプロバスケ　すべてはここに」をテーマに今シーズンも全国で激戦が繰り広げられた。その中で各カンファレンスで上位４チームに残り、セミファイナルを見事勝ち上がってきたのがウエスタン・カンファレンスは大阪エヴェッサと琉球ゴールデンキングス（沖縄）、イースタン・カンファレンスは浜松・東三河フェニックスと新潟アルビレックスＢＢの４チームだ。

（写真：沖縄・桶谷HC＜左＞と大阪・天日HC）
　22日のカンファレンスファイナル、最も注目されているのが昨シーズンと同じカードとなった大阪と沖縄の一戦だ。昨シーズンは沖縄が４連覇を狙った大阪をカンファレンスファイナルで下し、その余勢を駆ってファイナルも制して創立２年目にして初優勝を達成した。しかし、今シーズンは開幕直後からケガ人が続出。明日からのファイナル４でも昨シーズンの初優勝に大きく貢献したＧ金城茂之や、桶谷大HCがプレイオフのキーパーソンと考えていたＧ澤岻安史の欠場が決定している。ライジング福岡とのセミファイナル初戦でヒザを負傷し、第２戦を欠場したＣジョージ・リーチ、４月に故障から復帰したばかりのＣジェフ・ニュートンも左足首を痛めるなど、主力の外国人勢のコンディションも気になるところだ。それだけにディフェンディングチャンピオンながら桶谷HCは「チャレンジ精神をもって戦いたい」と何度も繰り返した。

　昨シーズンは主力選手を故障で欠いての苦しい戦いを強いられた大阪だが、今シーズンは「全員元気でここまでこれた」と天日謙作HCが語るように、ほぼ万全のコンディションで臨むことができそうだ。レギュラーシーズンは５連勝で締めくくり、セミファイナルをあわせて７連勝と調子を上げている大阪。その要因のひとつに天日HCは「ローテーションがうまくいっているおかげで主力が休むことができている。そのために体も頭もフレッシュなままプレーできていることが大きい」と選手層の厚さをあげた。「昨シーズンとはメンバーが違うし、特にリベンジだとは思っていない」と天日HC。だが、沖縄の印象を聞かれても「サイズがあって、速いチーム」とだけで多くを語ろうとはせず、最大17点差を得ながら最後に引っくり返された強敵に警戒心を募らせている印象をうかがわせた。今シーズン、２チームの対戦成績は４勝４敗。ファイナルもがっぷり四つの展開となりそうだ。

　一方、イースタン・カンファレンス ファイナルは浜松と新潟が対戦。昨シーズンのセミフィナルの再現となる。浜松は昨シーズン、新鋭ながらレギュラーシーズン１位通過を果たしたものの、カンファレンスファイナルで東京アパッチに惜敗し、ファイナル進出を逃した。それだけに｢今年こそは｣という気持ちは強いはずだ。しかし、セミファイナルでチーム最大の得点源であるG/Fウェンデル・ホワイトが捻挫をするなど、選手のコンディションが気になるところだ。チーム状況を聞かれると、「オレは万全なんだけど（笑）」といつもの中村節で会場を和ませた中村和雄HC。「チームは万全ではない」としながらも、「何かトラブルがあっても、普段から準備しているのでバタバタはしていない」とベテランHCらしく落ち着き払っていた。対戦する新潟に対しては、レギュラーシーズンは７勝１敗と大きく勝ち越したが、「速さがあるので危ないチーム。爆発力があるし、全員がよく走る。決してレギュラーシーズンのようにはいかないと思っている」と危機感を募らせた。それでも「いいゲームになると思いますよ」と笑顔を見せ、ファイナル進出への自信ものぞかせた。
（写真：浜松・中村HC＜左＞と新潟・廣瀬HC）

　セミファイナルではレギュラーシーズン１勝５敗と苦戦した仙台89ERSと最終戦までもつれる接戦を制し、見事下馬評を覆した新潟。「仙台の分も頑張りたい」と廣瀬昌也HCは強い意気込みを示した。リーグトップの平均得点をたたき出した浜松に対しては「レギュラーシーズンでは基礎となる部分の差が大きく出たと痛感させられた」としながらも、「一つ一つ積み上げてきたものが明日、証明される。新潟らしいゲームを見せたい」と波に乗っているチームへの期待感を述べた。

　昨シーズンのカンファレンスファイナルでは大どんでん返しの連続で一発勝負の怖さを改めて思い知らされた。それだけに４チームのHCの言葉はどれも慎重で、その表情は硬く、緊張感が漂っていた。果たしてファイナルに進出し、チャンピオントロフィーを手にするのはどのチームか。いよいよ今シーズンの王者決定戦が幕を開ける。



〜2009−2010シーズン　ファイナル４（有明コロシアム）〜

22日（土）
＜ウエスタン・カンファレンス ファイナル＞
　大阪エヴェッサvs. 琉球ゴールデンキングス
＜イースタン・カンファレンス ファイナル＞
　浜松・東三河フェニックスvs.新潟アルビレックスＢＢ

23日（日）
＜ファイナル＞
＜３位決定戦＞
（写真：４チームが目指すチャンピオントロフィー）

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