当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組「勝負の瞬間(とき)」で3月14日に放送された柔道家・吉田秀彦編が好評につき、再放送が決まりました。29日(土)、10:00より放送です。この番組では毎回、各スポーツの一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。今までのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。
(写真:「人生はギャンブル」と豪語する勝負師の今後は?)
 番組では、吉田さんと次のようなインタビューが展開されています。

二宮: 吉田さんの基盤は今でも柔道?
吉田: もちろんです。現役が終わったら柔道界に戻ろうと思っています。一番の夢は、道場の生徒が世界選手権、オリンピックに出ること。そういう意味でも、きちっと指導者として柔道に戻りたいんです。

二宮: 子どもたちに対する教育方針はどのようにしているのですか?
吉田: 柔道は礼に始まり礼に終わります。だから、まず礼儀作法はきちんとすること。あとは、いろんな性格の子どもが入ってくるので、その子どもにあった教え方をしています。褒めれば一生懸命やるヤツもいるし、叱ったほうが一生懸命やるヤツもいる。指導者が子どもたちを見て、しっかり見抜かないといけない。とにかく一番大切なのは、道場の中でいい仲間をつくること。強くなるとかならないとかは、また別です。道場の中でいい仲間を作って、人を思いやる気持ちを持ってもらいたいなと感じています。

二宮: 柔道からもっとも学んだことは?
吉田: やっぱり耐えることですね。今までやめようと思えばいくらでもやめられた。ただ、そこを耐えてきたから、今がある。それは僕がこれから柔道の世界で教えられることだと思っています。

二宮: 忍耐の末に喜びが待っていると?
吉田: きつい練習なんて、誰もが投げ出したい。でも、そこを乗り越えないと勝てないんです。まずは柔道を続けること。人生、耐え忍んで耐え忍んで勝負です。だから、今度は指導者として一発勝負ができれば。

二宮: 吉田さんが、これからどんな勝負をするか、興味があります。
吉田: 構想はあります。だから今、耐えているんです(笑)。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 4月25日の引退興行をもって、吉田さんは戦いの日々にピリオドを打ちました。引退試合1カ月前に収録された当番組では、吉田さんが、これまでの現役生活を振り返っていきます。「これが総合格闘技の試合なんだなと、ワクワクした」というヴァンダレイ・シウバとの激闘や、「バットで足を思いっきりぶん殴られたような」ミルコ・クロコップのローキックの衝撃など、拳と拳を突き合わせた者にしかわからない話が次々と飛び出します。
(写真:昨年大晦日の金メダル対決、石井慧戦の舞台裏も語る)

 さらに話題はさかのぼり、柔道時代へ。柔道を始めたきっかけや、講道学舎での厳しい稽古、そして古賀稔彦先輩との出会いなど、エピソード満載でこれまでの道のりをたどっていきます。
 吉田さんといえば、何といっても思い出されるのが、1992年のバルセロナ五輪でしょう。直前練習で先輩の古賀選手にケガをさせてしまったことでしょう。しかし、「僕も精神的なケガを負った」というショックを乗り越え、見事、オール一本勝ちで金メダルを獲得。翌日、古賀選手も足をひきずりながら、後輩の思いに応え、悲願の優勝を果たします。「金メダルを獲って先輩に申し訳ない気持ちでいっぱいだった」。そんな今だからこそ話せる舞台裏も明かしてくれました。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースでお届けしています。次回、6月27日(日)の放送では、パラリンピックのノルディックスキーで2つの金メダルを獲得した新田義浩選手が登場。世界の頂点に立つための知られざるレース前の戦いや、障害者スポーツの現状についてたっぷり語っていただきます。7月以降も世界陸上のメダリスト、世界を疾走するレーサーを番組にお招きする予定です。どうぞ、お楽しみに!

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