四国・九州アイランドリーグの前期シーズンは2日、最終戦で首位の香川オリーブガイナーズが0.5差の2位・高知ファイティングドッグスと引き分け、優勝をおさめた。香川の優勝は2008年前期以来、4期ぶり。9月末に予定されている後期優勝チームとのリーグチャンピオンシップにコマを進めた。昨季は4年連続のリーグ年間王者を逃した香川だが、今季は元オリックスの前川勝彦らを獲得するなど大型補強を敢行。開幕8連勝を飾るなど、充実した戦力で勝ち星を重ねた。高知は5月中旬からリーグ新の12連勝で一時は首位に立ったものの、最後に失速した。
 勝つか引き分けで香川優勝、敗れれば高知優勝――。リーグ初の最終戦直接対決は、最後までもつれた優勝争いにふさわしく、終盤にドラマが生まれた。1−3と香川2点ビハインドで迎えた8回、2死1塁から4番・中村真崇がライトへの同点2ラン。粘りの投球で優勝まであとアウト4つに迫っていた高知の先発左腕・吉川岳を打ち砕いた。高知は香川先発・前川の制球難や守備陣の乱れに乗じ、2回までに3点を先行。しかし、以降は併殺打、走塁死もあってリードを広げられなかった。悪天候で試合順延が続いた影響で、後期シーズンはインターバルがなく3日に開幕する。

 中村、優勝決める同点弾!(香川3勝1敗4分、レグザム、1220人)
高知ファイティングドッグス 3 = 210000000
香川オリーブガイナーズ  3 = 000010020 (9回引き分け)
本塁打  (香)中村3号2ラン

<順位表> 勝  負  分  勝率   差
1.香川   23  9   6  .719  優勝    
2.高知   22  9   7  .710  0.5  
3.徳島   20  15  3  .571  4.0
4.愛媛   13  22  3  .371  7.0  
5.長崎   13  23  2  .361  0.5

<関西独立リーグ、プロチームを断念>

 関西独立リーグが運営母体を株式会社からNPO(非営利法人)に変更することになった。所属選手は法人の参加者として原則無給になり、プロ球団ではなくなる。正式な移行は来年からの予定。今季、2年目を迎えた同リーグでは観客動員の低迷、経営難に苦しんでおり、コリア・ヘチを除く3球団で6月末から選手給与の支払をストップしていた。
 
 NPO法人化のメリットは人件費をカットでき、また自治体からの助成も見込める点だ。現状1球団6000万円かかっている年間のコストを半分以下に圧縮できる。だが、給料のない状態で、どのくらいの指導者、選手を確保できるかは未知数。リーグでは寮などの環境は維持するとしているが、練習や試合を行うには仕事との両立が必要となり、これまでのような野球に打ち込める状況ではなくなる。今回の動きは事実上の社会人クラブチーム化に舵を切ったと言えそうだ。

【JFBL】

 三重、引き分け挟み8連敗(大阪6勝4敗1分、津、425人)
大阪ゴールドビリケーンズ 3 = 010001100
三重スリーアローズ     0 = 000000000
勝利投手 崔(1勝0敗)
敗戦投手 洪(6勝5敗1S)
セーブ   遠上(5S)

<順位表> 勝  負  分  勝率   差
1.大阪   10  12  1  .454
2.三重   8  19  2  .296  4.5