ブラッド・エルドレッドに続いて前田智徳。カープはこの1週間で主砲と代打の切り札を死球で失った。

 監督の野村謙二郎は「1週間で2人だからな。みんなが戻るのはオールスター明けだな」と声を落としていた。

 野球にケガは付き物とはいえ、カープファンからすれば、「ウチの選手に何をする!?」の気持ちだろう。

 前田がぶつけられた際には古沢憲司投手コーチが暴力行為で退場処分になったが、あれくらいのファイトが必要である。ぶつけられても黙っていたらナメられるだけだ。

 ただでさえ選手層の薄いカープにとって主力のケガは何よりも痛い。2人の長期離脱による深刻な戦力低下が懸念される。

 しかし、諦めるわけにはいかない。幸いにも今季のセ・リーグは巨人をのぞくと団子状態で、2位阪神から6位東京ヤクルトまでのゲーム差は、わずか4.5ゲーム差(4月24日現在)。クライマックスシリーズ出場の可能性は、どのチームにもある。

 不幸を嘆いていても仕方がない。エルドレッドに前田、それに故障の野村祐輔やマエケンが戻るまでは辛抱強く戦うしかない。今はただただ我慢の時期である。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)
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