ともに接戦にもつれ込みながら、カープは1対3で阪神にサヨナラ負け、東京ヤクルトは中日に1対0でサヨナラ勝ち。これで5日前に3.5あったゲーム差は一気に1まで縮まった。2日のゲームだ。せめて引き分けて欲しかったが、今さら言ってもしょうがない。

 元中日監督の落合博満が日刊スポーツ(9月4日付)でこんな評論をしていた。
【残り30試合。ここからはベンチワークの勝負と言ってもいい。中6日で回してきた先発投手の間隔を縮めたりして、投手も野手も総動員で1つの試合を勝ちにいくという姿勢も時には必要になってくるかもしれない。

 だが、怖いのはそういう試合を落としてしまった時の反動である。ただでさえ頭数が少なく、いっぱいいっぱいの状態で戦ってきたチームは、特に落とし穴にはまりやすい】

 後段の部分はカープのことを言っているのではないか。2日の阪神戦、カープは中4日で前田健太をマウンドに送ったが、打線の援護がなく、この賭けは失敗に終わった。

 落合が指摘するように残り30ゲームを切れば、どこの球団もムチを入れてくる。真に力のあるチームでなければ、9月を勝ち抜くことはできない。カープの相手はヤクルトに絞られた。直接対決は残り6試合。全勝するくらいの意気込みで挑まなければ、CSに2度、コマを進めているヤクルトに引導を渡すことは難しい。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)


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