『マツダオールスターゲーム2010』第1戦が23日、ヤフードームで行なわれた。序盤から効率よく得点を重ね、試合の主導権を握った全セが継投で逃げ切り、屈辱を味わった交流戦の雪辱を果たすかたちとなった。

 藤川球、全球ストレートで三者連続三振!(ヤフードーム)
全セ   4 = 010110100
全パ    1 = 000000010
勝利投手 前田健
敗戦投手 和田
セーブ   藤川球
本塁打  (パ)山崎1号ソロ
 夢の球宴初戦は、静かな立ち上がりとなった。全パの先発・和田毅(福岡ソフトバンク)がキレのあるストレートで2三振を奪う好投で無失点に抑えると、その裏、マウンドに上がったのは12球団トップの43万5375票を獲得した前田健太(広島)。パ・リーグの強打者に「対戦したい」と言わしめた前田は、川崎宗則(ソフトバンク)をチェンジアップで空振り三振、井口資仁(千葉ロッテ)をわずか一球で二飛に打ち取ると、最後は中島裕之(埼玉西武)を右飛に仕留めた。

 2回表、早くも試合が動いた。1死から和田一浩(中日)がライトオーバーの三塁打を放ち、全セが先取点のチャンスをつかむ。続く阿部慎之助(巨人)が高目のストレートをうまくセンターへ運び、和田一が先制のホームを踏んだ。さらに青木宣親(東京ヤクルト)が二塁打で続く。しかし、和田毅は落ち着いて平野恵一(阪神)を空振り三振、坂本勇人を二飛に打ち取り、なんとか最少失点に抑えた。その裏、前田健は一塁手・小笠原道大(巨人)のファインプレーなどにも助けられ、三者凡退に切ってとり、大役を十分に果たして初のオールスターのマウンドを後にした。

 全セは、4回表には日本球界を代表するピッチャー、ダルビッシュ有(北海道日本ハム)に対し、森野将彦(中日)がヒットで出塁すると、和田は三塁手・中島のエラーで出塁し、無死一、二塁とした。続く阿部はダルビッシュの“新魔球”に喰らいつき、粘りに粘ってライト線へ。二塁ランナー森野が返り、阿部は2打点目をあげ、一気にMVP候補へと名乗り出た。中盤にも森野、東出輝裕(広島)のタイムリーで追加点を奪った全セは試合の主導権を握った。

 一方、全パは6回まで前田健に続いて、内海哲也、久保裕也(ともに巨人)、山口俊(横浜)の投手リレーに、わずか1安打に抑えられた。久々に快音が聞かれたのは7回裏。1死から中島が5番手・越智大祐(巨人)の変化球をレフト前へ弾き返した。しかし、次打者・稲葉篤紀(日本ハム)は二飛に。飛び出していた中島は帰塁できず、結局この回も三人で終えた。

 しかし8回裏、それまでの鬱憤を晴らすかのように代打出場の山崎武司(東北楽天)が岩瀬仁紀(中日)から打った瞬間にそれとわかるホームランを放ち、1点を返した。しかし、反撃もここまで。最終回は全球ストレート勝負を挑んだ藤川球児(阪神)が里崎智也(ロッテ)、片岡易之(西武)、中島と三者連続三振に切ってとり、最高のかたちで締めくくった全セが快勝した。MVPには2安打2打点の阿部が輝いた。第2戦はHARD OFF ECOスタジアム新潟で開催される。