日本サッカー協会は27日、「2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選」のカンボジア代表戦(9月3日、埼玉)とアフガニスタン代表戦(8日、テヘラン)に出場する日本代表23人を発表した。海外組からはFW本田圭佑(ACミラン)、MF香川真司(ドルトムント)、DF長友佑都(インテル)らに加え、今季からマインツに移籍したFW武藤嘉紀が選出された。中国で行なわれた東アジア杯での戦いが評価されたMF遠藤航(湘南ベルマーレ)、DF米倉恒貴(ガンバ大阪)は引き続き、メンバー入りを果たし、所属先が未定のGK川島永嗣の招集は見送られた。会見に臨んだヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「勝たないといけない、点を獲らないといけない」と強い意気込みを見せた。
(写真:メンバーひとりひとりについてコメントしながら代表を発表したハリルホジッチ監督)
「シンガポール戦と同じようなシナリオになると思う」
 ハリルホジッチ監督はカンボジア戦を、そうイメージする。シンガポール戦は、数多く決定機を作るも、得点に結びつけることができなかった。カンボジア戦に向けて、「DFを5人置き、ブロックを引いてカウンターを仕掛けてくる。中盤からのミドルシュートを頻繁に使いたいし、センター、サイドから点を取れるようにしたい」と、対策を練ることを明らかにした。

 東アジア杯も含めて、対アジアはここのところ、3分け1敗と勝ちがない。引いた相手に対して苦戦した状況を踏まえ、ハリルホジッチ監督は、「選手に学んで欲しい。1回もPKをもらえていない。この発想がないのかもしれない。これを教えないといけない。ずる賢くやり続けろとは言わないが、ペナルティエリアの中でファールをもらうインテリジェンスが必要」と選手たちにゴールへのアイデアを提示した。

 東アジア杯で指揮官の期待に応え、今回も招集されたのが遠藤と米倉だ。
「遠藤は、クラブではDFだが中盤として考えている。シュートも良い。運動量もある。デュエル(フィジカルコンタクト)も強い」
「米倉は、デュエルのところで強かった。彼は中国戦で、かなりのチャンスをもたらしていた」

 こう2人を評したハリルホジッチ監督は、米倉を例に出し、「国内の選手に言えるのは、こういうことが起こるということ。これがメッセージ」とJリーガーたちの更なる奮起を促した。

 今後代表に求める人材についても、指揮官は「フィジカルコンタクトが強いFWを求めている」と言った。今回は選出されていないが、FW杉本健勇(川崎フロンターレ)の名前をあえて挙げ、「能力はある。このリストに入るにはもってもっとやって欲しい」と、期待を寄せた。DF陣に関しても東アジアカップの戦いを振り返り、「セットプレーで大きい選手を入れておけば日本は弱いと思われている。これに対抗するために我々も大きな選手が必要」と、空中戦に強い選手を求めた。

 また、「U−18とオリンピック世代も見たが、若い世代にJリーグの出場のチャンスを与えて欲しい。トップで出てもおかしくない選手もいた」とリーグ戦での若手の出場機会の増加も訴えた。

【日本代表メンバー】

GK
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
六反勇治(ベガルタ仙台)

DF
丹羽大輝(ガンバ大阪)
長友佑都(インテル・ミラノ)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
米倉恒貴(ガンバ大阪)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(ハノーファー96)
酒井高徳(ハンブルガーSV)

MF
長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)
香川真司(ボルシア・ドルトムント)
山口蛍(セレッソ大阪)
原口元気(ヘルタ・ベルリン)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)
遠藤航(湘南ベルマーレ)

FW
岡崎慎司(レスターシティー)
本田圭佑(ACミラン)
興梠慎三(浦和レッズ)
永井謙佑(名古屋グランパス)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
武藤嘉紀(1.FSVマインツ05)