EAFF東アジアカップは9日、中国・武漢で日本代表(FIFAランキング56位)が中国代表(同79位)と対戦した。連覇が消滅した日本は、勝てば優勝となる中国に先制を許す。しかし、41分にMF武藤雄樹の今大会2ゴール目で同点に追いついた。後半、日本は押し気味に試合を進めたが、勝ち越し点は奪えず。2分1敗と白星なしの最下位で大会を終えた。

 得点王の武藤が唯一の収穫(武漢)
日本代表 1−1 中国代表
【得点】
[日本] 武藤雄樹(41分)
[中国] ウー・レイ(10分)
「今日はかなりいい試合をしたと思う」
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は強がったが、勝利という結果は残せなかった。

 立ち上がり、日本はチャンスを迎える。CKを何度も得て、ゴール前に放り込むが決まらない。4分には、こぼれ球にFW宇佐美貴史が右足でシュートを放つが、惜しくもバーを叩いた(判定はオフサイド)。

 すると、先に点を奪ったのは中国だった。10分、スローイングからPA内でボールをつながれると、折り返しをFWウー・レイがミドルシュート。横っ飛びしたGK東口順昭の指先を抜け、ゴールネットに突き刺さる。その後も中国にはカウンターで攻め込まれ、ウー・レイにGKと1対1の場面をつくられるなど、日本はヒヤリとさせられた。
 
 反撃したい日本は41分、左サイドへの縦パスに代表初先発のDF米倉恒貴が反応。ワンタッチでクロスを上げる。ここへ飛び込んだのは武藤だ。「自分の良さが出たと思う。皆がつないでくれて、いいパスをくれた」。左足で押しこみ、試合を振り出しに戻した。

 後半に入ると試合は日本ペース。6分には米倉が左サイドをドリブルで上がって右足を振り抜く。25分には敵陣で相手ボールを奪って、武藤が右サイドから抜け出した。日本は前を向いて攻め込む場面が増えるが、ゴールをこじ開けられない。

 ハリルホジッチ監督はFW興梠慎三、MF柴崎岳、FW浅野拓磨と攻撃の選手を投入するも、勝ち越し点には至らなかった。アディショナルタイムには、柴崎のFKにDF遠藤航がニアで頭を合わせたが、枠をとらえきれず。強まる雨の中でのゲームは、無情の引き分けで終了のホイッスルを聞いた。

 これでハリルジャパンはW杯アジア2次予選のシンガポール戦から4試合連続で白星がない。次のアジア2次予選(9月3日カンボジア、8日アフガニスタン)までは残り1カ月だ。
「課題はたくさんある。それを解決していこうと思う」
 厳しい現実を目の前にして、指揮官は立て直しを誓った。