いよいよ本格的に“真夏”がやってきました。特に西日本では最高気温が37度、38度といった日が続くとか……。数字を目にするだけで、アイスのように溶けてしまいそうです。とにかく熱中症には気を付けたいものですね。

 さて過日、編集長が連載する「第三文明」の対談で、スカッシュの松井千夏選手のインタビューに同行しました。

 スカッシュといえば、レスリング、野球・ソフトボールとともに2020年五輪での候補競技となっており、今、非常に注目されています。ロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪でも最終候補まで残りながら涙をのんでいるだけに、「今回こそは」と期待を膨らましている関係者も多いことでしょう。

 松井選手は現在、36歳。10~20代が多くを占める中、今もなお国内ではトップ選手として活躍しています。そのうえ、美人で応対も非常に丁寧と、まさに“才色兼備”。同世代としては、羨ましい限りです。

 さて、その松井選手へのインタビュー終了後、コートに移り、写真撮影となりました。ユニフォームに着替えた松井選手は、美しさとかっこよさを兼ね備えたアスリート。カメラマンの方の声がいつも以上に弾んでいたような気がしたのは、気のせいだったでしょうか……。

 撮影中、ふと気づくと、編集長がいません!
「あれ、どこに行ったんだろう……」
「お手洗いにでも行かれたんでしょうかね」
 編集担当者とそんな会話をしていると、入り口の方から編集長がニコニコしながらやってくるではありませんか!
「編集長、どこに行かれていたんですか?」
「いや、うん、まぁ、ちょっとね。それより、撮影ってもう少しで終わるよね」
 そう言いながら、いつの間にか持っていたスカッシュ用のラケットをブンブン振り回し始めました。

(まさか……)
 そう思って、ふと足元を見ると、いつの間にかスリッパからシューズを履いているではありませんか!

「編集長、もしかして松井さんと対決するおつもりですか?」
「うん、そうだよ。実は、大学の頃、遊びでやっていたんだよね。アパートの近所にコートがあったんで……」

 そして撮影終了後、意気揚々と松井選手に対戦を申し込んだ編集長。もちろん、松井選手は“お手柔らかに”していただいたのですが、それでも(意外に?)編集長は様になっていました。

「あぁ、いい汗かいた。何十年ぶりにやったけど、やっぱりスカッシュは面白いよ」
「正直、驚きました。編集長、結構うまいですね!」
「そうだろう? またやりたいなぁ」
「でも、後で足にくるんじゃないですか?」
「ジョギングしているから、これくらい大丈夫だよ」

 そんな会話をしながら事務所に戻ったその日の夜のことです。
「編集長、お先に失礼します」
 そう言って、書斎のドアを開けると、プーンと湿布のようなニオイがしました。
「やっぱり、編集長、足にきているんだ……」
 そう思った私は、「編集長、足は大丈夫ですか?」と聞いてみました。

 すると「全然、平気。何ともないよ。やっぱり日ごろからジョギングしているからだな」と笑顔を向ける編集長。しかし!! 机の端には、しっかりとコールドスプレーが置いてあったのを私は見逃しませんでした……。編集長、お大事に!

 (スタッフS)
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