マネジャーのH女史と東京ドームでの東北楽天―北海道日本ハム戦を観た。“野球オンチ”のH女史でも話題の二刀流ルーキー・大谷翔平のことは知っているらしい。
「大谷クーン!」「キャー!」「コッチ向いて!」。まるで女子高生である。
スコアボードにスタメンが表示された。大谷の横には9という数字が。それがライトというポジションを示していることを知らない日本人は、ごくごく少数だろう。
ところがH女史は違った。「あの9という数字、間違っていますよ。だって大谷君の背番号は11ですから」。開いた口が塞がらないとは、このことだ。
「いや、あの数字はポジションだよ」「ポジション? じゃあ9ってどこですか?」「ライト!」「ライトってどこですか?」「センターのとなり!」「じゃあセンターは?」
周囲からはクスクス笑いが。と、その時である。近くに座っていた年配の観客が、からかうようにH女史に訊いた。「お客さん、野球って何人でやるか知ってるの?」。ウーンと下を向いて考え込むH女史。ハタとヒザを打ち、自信満々に答えた。「わかった、11人!」。周囲は爆笑の渦。ちょっと前に、私がその場から立ち去っていたことは言うまでもない。
(編集長N)
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