柔道の世界選手権が9日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開幕した。前回のオランダ・ロッテルダム大会で史上初の金メダルゼロの屈辱を味わった日本男子は100キロ級で穴井隆将(天理大教)が優勝。前々回の07年ブラジル・リオデジャネイロ大会の無差別級・棟田康幸(警視庁)以来2大会ぶりの金メダルをもたらした。女子78キロ超級では杉本美香(コマツ)が初優勝。同級でアテネ五輪金メダリストの塚田真希(綜合警備保障)は準決勝で敗れ、銅メダルだった。また女子78キロ級では初出場の緒方亜香里(筑波大)も3位に入った。
 一方、男子100キロ超級に出場したアテネ五輪金メダリストの鈴木桂治(国士大教)は、初戦で一本を取られ、まさかの敗退。今年の全日本選手権覇者の高橋和彦(新日鉄)は男子100キロ超級で準決勝、3位決定戦と続けて敗れ、メダル獲得はならなかった。前回大会は男女合わせて金3、銀1、銅3個と低調だった日本勢は初日で金2、銅2個の成果をあげ、52年ぶりの東京開催でまずまずの滑り出しをみせた。

【日本勢結果】

◇男子100キロ級
<1回戦>
〇穴井隆将(天理大職) 3分6秒 一本 ×M.ラバラウキス(リトアニア)
〇高木海帆(東海大) 優勢 ×D.ハドフィ(ハンガリー)

<2回戦>
〇穴井隆将 5秒 一本 ×A.ゼヴィ(イスラエル)
〇T.ナイダン(モンゴル) 延長 一本 ×高木海帆

<3回戦>
〇穴井隆将 優勢 ×L.クルパレック(チェコ)

<準々決勝>
〇穴井隆将 4分48秒 一本 ×T.ファブレ(フランス)

<準決勝>
〇穴井隆将 延長 優勢 ×O.デスパイン(キューバ)

<決勝>
〇穴井隆将 延長 優勢 ×H.グロル(オランダ)

◇男子100キロ超級
<1回戦>
〇J.ウォジナロビッチ(ポーランド) 2分34秒 一本 ×鈴木桂治(国士舘大教)

<2回戦>
〇高橋和彦(新日鉄) 3分31秒 一本 ×I.マカラウ(ベラルーシ)

<3回戦>
〇高橋和彦 優勢 ×P.ビアンケシ(イタリア)

<準々決勝>
〇高橋和彦 1分27秒 一本 ×L.グジェジアニ(グルジア)

<準決勝>
〇T.リネール(フランス) 延長 一本 ×高橋和彦

<3位決定戦>
〇I.エルシェハビ(エジプト) 4分53秒 一本 ×高橋和彦

◇女子78キロ級
<1回戦>
〇V.モスカリュク(ロシア) 4分19秒 一本 ×岡村智美(コマツ)
〇緒方亜香里(筑波大) 5分 一本 ×Z.チャン(中国)

<2回戦>
〇緒方亜香里 26秒 一本 ×C.ロベルジ(カナダ)

<準々決勝>
〇M.プリスチェパ(ウクライナ) 44秒 一本 ×緒方亜香里

<敗者復活戦>
〇緒方亜香里 4分16秒 一本 ×C.ルブラン(フランス)

<3位決定戦>
〇緒方亜香里 3分25秒 一本 ×H.ウォラート(ドイツ)

◇女子78キロ超級
<1回戦>
〇塚田真希(綜合警備保障) 4分44秒 一本 ×M.S.アルサマン(ブラジル)
〇杉本美香(コマツ) 1分48秒 一本 ×M.プロコフィエヴァ(ウクライナ)

<2回戦>
〇塚田真希 2分4秒 一本 ×I.キンゼルスカ(ウクライナ)
〇杉本美香 19秒 一本 ×T.ドングサシヴィリ(ロシア)

<準々決勝>
〇塚田真希 2分37秒 一本 ×T.ドリゴトフ(モンゴル)
〇杉本美香 1分6秒 一本 ×H.リュウ(中国)

<準決勝>
〇Q.キン(中国) 優勢 ×塚田真希
〇杉本美香 35秒 一本 ×I.オルティズ(キューバ)

<3位決定戦>
〇塚田真希 1分38秒 一本 ×H.リュウ

<決勝>
〇杉本美香 4分49秒 一本 ×Q.キン