ピッツバーグ・パイレーツを解雇になった岩村明憲がオークランド・アスレチックスに移籍することが決まった。アスレチックスの公式HPでアシスタントGMが確認をとったと報じられている。今季終了までの契約で、岩村本人のブログによると現地時間13日からチームに合流する。アスレチックスは現在、アメリカンリーグ西地区2位で、首位のテキサス・レンジャーズに8.5差をつけられ、逆転優勝には崖っぷちの状況。正三塁手のケビン・クーズマノフが腰を痛めたため、サードを守れる岩村を緊急補強することになった。
 今季、タンパベイ・レイズからパイレーツに移った岩村だったが、54試合で打率.182、2本塁打、9打点と成績が低迷。6月中旬にはメジャーリーグの40人枠から外され、事実上の戦力外となっていた。他に獲得に名乗りを上げる球団もなかったため、その後は傘下の3Aインディアナポリスでプレー。今月6日に3Aの全日程が終了したことを受け、翌日、パイレーツは岩村を解雇していた。

 既に来季を視野に入れていた岩村にとって、今季、メジャーリーグで働ける機会が生まれたことは願ってもない朗報だ。しかし、契約は今季いっぱいでその後の保障はない。パイレーツでの不振は昨年、手術を受けた左ひざの影響を指摘する声もあり、結果が出なければ現地の評価がさらに低下してしまう可能性もある。本人はマイナーにしがみついてまで米国でのプレーを希望しておらず、メジャー球団からのオファーがなければ日本復帰することになりそうだ。

 アスレチックスの残り試合は20。27日からは松井秀喜の所属するロサンゼルス・エンゼルス、30日からはイチローのいるシアトル・マリナーズとの最終4連戦を控える。日本人対決が増えたことはファンにとっては楽しみだが、本人はそれどころではないだろう。緑と黄のユニホームで迎える1打席1打席、1球1球が、これまでの野球人生の中で最も重いものとなるに違いない。