広島東洋カープのディオーニ・ソリアーノ投手が1日、本拠地のマツダスタジアムで行われた阪神戦で先発登板し、初完封で初勝利をおさめた。内容は9回126球を投げて散発の4安打、2四球、6奪三振、0失点。ソリアーノはカープドミニカアカデミーよりアイランドリーグに派遣され、2007年に高知、08年に長崎、09年の前期は徳島に在籍経験を持つ。昨年7月に広島と育成選手契約を交わし、今年6月に支配下登録された。
 先発のコマ不足に悩むチーム状況の中、今季はここまで1軍昇格と登録抹消を繰り返しながら、6試合に先発。巨人相手に2度、勝ち投手の権利を得て降板しながら、リリーフ陣が逆転を許すなど、0勝3敗の成績だった。この日は立ち上がりの無死1、2塁のピンチを切り抜けると、課題だったコントロールも良く、スコアボードにゼロを並べていく。阪神は中日の優勝を阻止するためには絶対に負けられない試合だったが、逆にソリアーノは7回以降を無安打に封じ、猛虎打線をシャットアウト。阪神に引導を渡す形になった。

 アイランドリーグで実戦経験を積み、チャンスをつかんだ左腕だ。リーグでプレーした選手がNPBで勝利投手となるのは、多田野数人(北海道日本ハム、2006年に徳島へスポット参戦)、秋親(千葉ロッテ、元福岡)に続いて3人目だが、それまで目立った球歴がなかった点では、まさにリーグをきっかけに成りあがった選手としても“初勝利”といっていい。長崎の脱退など暗いニュースが流れる中、関係者にとっては久々の朗報が届いた。

【JFBL】

 朴ガラム、打撃戦制す決勝打(大阪9勝11敗3分、津、985人)
大阪ゴールドビリケーンズ 9 = 005200200
三重スリーアローズ     7 = 000700000
勝利投手 小園(4勝10敗)
敗戦投手 倉崎(1勝6敗5S)
セーブ   遠上(2勝7敗6S) 

<順位表> 勝  負  分  勝率   差  残
1.三重   20  28  5  .417  優勝 1
2.大阪   16  31  6  .340  3.5  1