14日、パ・リーグ・クライマックスシリーズファイナルステージが開幕。ファーストステージで2位・埼玉西武に連勝した千葉ロッテが、7年ぶりにリーグ優勝を果たした福岡ソフトバンクが待ち受けるヤフードームに乗り込む。
 今季、ロッテは北海道日本ハムとのCS進出争いで、1試合も負けられないというプレッシャーの中、残り3試合を全て制し、勝利への執念を見せた。さらにクライマックスシリーズファーストステージでは、2試合連続で終盤で追いつき、延長の末に逆転勝ち。シーズン終盤から5連勝と益々勢いづいている。しかし、勢いならソフトバンクも負けてはいない。残り6試合で当時首位を独占していた西武に3.5ゲーム差をつけられながら、逆転優勝を果たした。ロッテとの直接対決も15勝9敗、ヤフードームでの対戦成績も8勝4敗と大きく勝ち越している。

 ソフトバンクは今季初めて最多勝を獲得した和田毅、その和田に次いで16勝をマークし、勝率(6割9分6厘)トップの杉内俊哉の2本柱が主戦。さらに後ろには摂津正、ファルケンボーグ、馬原孝浩と強力なリリーフ陣が控えている。今季のロッテとの対戦成績は和田が3勝0敗、杉内が4勝1敗。そして摂津、ファルケンボーグ、馬原の3人はわずか6失点、防御率0.79とロッテ打線をカモにしている。アドバンテージの1勝をもつソフトバンクとしては、エースが登板する第1戦、第2戦を制し、一気に日本シリーズ進出に王手をかけたいところだ。

 逆にチーム打率(2割7分5厘)リーグトップを誇るロッテは、早めに先発投手を攻略し、“先行逃げ切り”を得意とする相手にプレッシャーを与えたい。そのため、西武とのファーストステージでは終盤で打線が奮起したが、ファイナルステージでは先取点がほしいところ。その中で注目は里崎智也だ。シーズン途中からケガで戦列を離れ、8月5日以来となる出場となったファーストステージでは守備ではミスはあったものの、得意のバットでは4打数4安打4打点と完全復活した。05年のプレーオフでも同じヤフードームで杉内、和田に一発を浴びせ、2勝2敗で迎えた天王山では決勝2点タイムリーを放っているだけに、ファイナルステージでもキーマンとなりそうだ。また、今シーズンの成績では和田、杉内ともに打率3割台をマークしている今江敏晃にも期待したい。ファーストステージでは6番だったが、上位あるいはクリーンアップに上がる可能性もある。

 両者のプレーオフでの対戦は、2005、07年に続いての3度目。05年はロッテ3勝2敗で勝利し、その後日本シリーズでも阪神に1度も負けることなく4連勝し、31年ぶりの日本一に輝いた。07年の第1ステージでもロッテに軍配が上がっている。ソフトバンクは、04年からスタートしたプレーオフでは5回出場しながら一度も日本シリーズに進出していない。果たしてソフトバンクが過去の汚名を払拭し、初めて栄光をつかみとることができるのか。それとも、ロッテが初めて3位チームとして日本シリーズの切符をつかみとるのか。