19日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ最終戦が行なわれた。中盤以降、見事な集中打を見せた千葉ロッテが大量リードを奪い、投げては先発・成瀬善久がソフトバンク打線を4安打零封。投打がかみ合ったロッテが快勝し、31年ぶりに日本一に輝いた2005年以来となる日本シリーズ進出を決めた。

◇ファイナルステージ(第6戦)
 成瀬、4安打完封(ロッテ4勝3敗、ヤフードーム)
千葉ロッテ       7 = 000040030
福岡ソフトバンク   0 = 000000000
勝利投手 成瀬(2勝0敗)
敗戦投手 杉内(0勝2敗)
本塁打  (ロ)大松2号2ラン
 第1戦と同じく先発は福岡ソフトバンク杉内俊哉と、千葉ロッテ成瀬善久。両者ともに最高の立ち上がりを見せ、2回までは互いにランナーを一人も許さないパーフェクトピッチングを披露した。

 両軍あわせて初安打が生まれたのは3回表。ロッテは1死から大松尚逸が粘った末に四球で出塁すると、里崎智也が杉内のチェンジアップをきれいにセンターへ弾き返し、一、二塁とした。そして西岡剛はライトフライに倒れるも、二塁ランナー大松が三塁へタッチアップし、先制のチャンスをつかんだ。打席には第4戦、第5戦と2試合連続で一発を放っているルーキー清田育宏。清田は内角ストレートを思いっきり振り抜いた。打球は鋭く、一、二塁間を破ったかと思われたが、これを二塁手・本多雄一が好捕し、倒れこみながらも素早く二塁へ。一塁ランナー里崎がアウトとなり、ソフトバンクはピンチを逃れた。

 一方、3回まで成瀬からヒットが出なかったソフトバンクは4回表、2死からオーティズが三遊間を抜けるヒットを放った。しかし、続く小久保裕紀がセカンドフライに倒れ、ソフトバンクも先取点を挙げることができなかった。

 均衡が破れたのは、5回表。ロッテは2死から里崎、西岡が連打で出塁すると、清田は四球を選び、満塁とした。続く井口資仁は杉内のキレのあるストレートに押され、2ストライクと追い込まれる。ところが4球目のカーブが井口の足に当たり、死球となる。押し出しというかたちでロッテが先制した。さらにサブローの押し出し四球で2点目を挙げると、続く今江敏晃にもタイムリーが出て2点を追加。ロッテはこの回、打者一巡の猛攻で一挙4点を挙げた。

 投げては先発の成瀬が中4日での登板も疲労を見せず、ほぼ完璧なピッチングでソフトバンク打線につけいる隙を与えなかった。8回裏には松田宣浩にヒットを打たれ、この試合初めて無死からランナーを出すも、長谷川勇也を内野ゴロに。5−4−3の併殺打に打ち取った。続く田上秀則にもヒットを打たれるも、川崎宗則を空振り三振に仕留め、ランナーをスコアリングポジションに進めることなく、ピンチの芽をつんだ。

 そして、ロッテ7点リードで迎えた9回裏、なんとか一矢報いたいソフトバンクだったが、わずか3球で2死を取られる。そして最後は小久保チェンジアップに喰らいつくも、打球は遊撃手・西岡のグラブへ吸い込まれ、ゲームセット。結局、成瀬はソフトバンク打線を4安打に抑えて完封勝ち。ロッテが初めて3位チームとして日本シリーズの切符をつかみとった。