2日に開幕した「FIVBバレーボールワールドカップ2007」(女子)は第1ラウンドを終え、6日から第2ラウンドに入る。3戦全勝を狙った日本は、セルビアに黒星を喫し2勝1敗で第1ランドを終えた。第2ラウンドではタイ、イタリアと対戦する。
(写真:気持ちを切り替え、第2ラウンドに挑む柳本ジャパン)
 この大会で3位以内に入れば来夏の北京五輪の出場権を獲得できる。順位争いで勝ち点の次に大事となるのが得点率とセット率だ。現在は3戦全勝の4カ国のうち、1セットも失っていないイタリアがトップで、ブラジル、セルビア、米国と続く。2勝1敗の日本は5位の位置につけている。

 とはいえ、1勝2敗で下位に甘んじているキューバ、ポーランドはブラジルや米国といった強豪と対戦しての結果だ。特にキューバは負けたとはいえ、ブラジル戦、米国戦ともにファイナルセットにまで持ち込んでおり、両国との実力差はほとんどない。第2ラウンド以降の組み合わせを考えても、日本のほうが厳しい状況だ。

 その日本が3位以内に入る望みをつなげられるかどうかは、第2ラウンドの結果次第。1戦目のタイにはストレートで勝ち、勝ち点を伸ばすとともに得点率、セット率を高めたい。そして勢いをつけて強豪・イタリア戦に臨むことが理想とされる。

“IDバレー”で先頭をいくイタリアは、対戦相手や試合展開によって攻撃パターンや布陣を変えてくる頭脳派チームだ。また、今大会ではキューバのナショナルチームで活躍していたアゲロ・タイマリスが加入したことで、攻撃力が格段とアップした。安定した守備力も健在で、ロシア、中国が不在の今大会では各国から最も怖れられている。そのイタリアに対し、日本は現在11連敗中だ。

 イタリアに勝つには、サーブレシーブで崩されないことが第一条件となる。特にローテーションで日本が弱いポジションの時にミスが出ると、連続ポイントで相手を勢いづかせてしまう危険がある。どれだけ早く相手の攻撃を切ることができるかが、ポイントの一つだ。

 また、攻撃は頭脳派・イタリアを攪乱させる戦略が必要だ。同じヨーロッパ勢のセルビア戦で有効だったのがセンター線をおとりにしたサイドアタッカーの時間差攻撃、逆にサイドをおとりにしたセンターのブロードだ。単調な攻撃ではこれまでと同じ屈辱を味わうことになる。連携プレーを多用することで、イタリアを翻弄させなければ勝機は見えてこないだろう。

 イタリアは9月のヨーロッパ選手権でも全勝と波に乗っている。果たして日本は“不敗神話”に土をつけることができるか――。五輪への道を切り拓くには、この試練を乗り越えるしかない。