缶コーヒーブランド「ジョージア」は、2010シーズンよりプロ野球12球団と提携、さらにNPBパートナー契約を締結し、“チームの勝利のために貢献した素晴らしいプレー”に贈られる「ジョージア魂」賞を創設しています。「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラム「野球探偵007」のコーナーをオフシーズンも月2回更新中。過去の受賞プレーはもちろん、惜しくも受賞を逃したノミネートプレーの中から二宮があらためて取り上げたいものを題材にコラムを執筆しています。

(写真:9月7日の千葉ロッテ戦では決勝弾を放ち、約9年ぶりのお立ち台に)
 当サイトでは今回、昨シーズンの「ジョージア魂」賞に2度ノミネートされたオリックス・田口壮外野手のコラムを特別に紹介します。

 オリックス・田口壮「オレはここにいるぞ!」 

 田口壮の8年に及ぶメジャーリーグ生活のハイライトといえば、2006年のポストシーズンだろう。

 カージナルス対メッツのナ・リーグチャンピオンシップ第2戦、田口は9回表無死の場面で打席に入った。マウンドにはメッツが誇る守護神ビリー・ワグナー。レギュラーシーズンでは40セーブをあげていた。

 それまで田口はワグナーと5打数無安打。どう見ても、勝ち目はないように見えた。ところが、である。サウスポーから投じられたフルカウントからの158キロのストレートをレフトスタンドへ。これが決勝ホームランになった。

 第6戦でも田口は大仕事をやってのける。9回表2死2、3塁の場面で代打に。マウンド上はまたもや守護神ワグナー。5球目のスライダーを田口は見逃さなかった。レフト線に2人の走者を迎え入れるタイムリー2ベース。カージナルスは2対4で敗れはしたものの、打たれたワグナーは「今の彼はベーブルースに見える」とお手上げのポーズを示したものだ。

 代打、代走、守備要員。メジャーリーグでは“いぶし銀”の役割を担った田口が日本球界復帰の決意を固めた背景には、昨季、オリックスの監督に就任した岡田彰布監督の存在があった。

 カージナルス入りを決めた大きな理由のひとつに、名将トニー・ラルーサの采配に触れてみたい、という願望があったように、田口は指揮官の野球観や戦術にこだわる。一言でいえば「ベンチにいても勉強になる」か否かを、そのチームでプレーする基準にしている。バイプレーヤーならではの観点だ。

 昨季、田口は「ジョージア魂」賞に2回ノミネートされた。ひとつは対北海道日本ハム戦(2010年3月30日)での代走出場での好走塁。地味な仕事をしっかりとこなすベテランに真のプロフェショナリズムを見た。もうひとつのプレーはクライマックスシリーズ進出に望みを残すなかで放った、対千葉ロッテ戦(同9月7日)での値千金の代打2ランだ。左腕のビル・マーフィーのストレートを一振りで仕留めた。「オレはここにいるぞ!」。そんな声が聞こえてきそうな一撃だった。

「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、昨シーズン、「ジョージア魂」賞にノミネートされ、今季は福岡ソフトバンクでプレーする内川聖一外野手についても二宮清純の書き下ろしコラムを掲載中!

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