缶コーヒーブランド「ジョージア」は、2010シーズンよりプロ野球12球団と提携、さらにNPBパートナー契約を締結し、“チームの勝利のために貢献した素晴らしいプレー”に贈られる「ジョージア魂」賞を創設しています。「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラム「野球探偵007」のコーナーをオフシーズンも月2回更新中。過去の受賞プレーはもちろん、惜しくも受賞を逃したノミネートプレーの中から二宮があらためて取り上げたいものを題材にコラムを執筆しています。

(写真:今季も“おかわり弾”でのノミネートが期待される)
 当サイトでは今回、昨シーズンの第12回「ジョージア魂」賞にノミネートされた埼玉西武・中村剛也内野手のコラムを特別に紹介します。

 埼玉西武・中村剛也「四球数も“おかわり”を!」

 右ヒジの故障などで戦列を離れた時期もあったものの、シーズン終盤での“おかわり君”のバッティングは手が付けられなかった。たった一振りで何度、試合を決めたことか。

 とりわけ印象に強いのが2打席連続ホームランを放った9月10日の対千葉ロッテ戦だ。1本目は成瀬善久の真っすぐを西武ドームの左中間場外へ、2本目は小野晋吾のカットボールを再び左中間スタンドに運んだ。

 ポイントを後ろに置いて打つバッターが多い中、珍しく中村剛也はポイントを前に置く。この打法を授けたのは元打撃コーチのデーブ大久保だ。

「サンペイ(中村のニックネーム)の場合、極端にボールを引き寄せ、右足の前で打っていた。それが証拠に詰まったファウルが多かった。何でも極端にやり過ぎるのはよくないんです。
 だから、そこを指摘した。現在、サンペイは(2ストライクと)追い込まれるまではポイントを前に置き、1、2、3のタイミングで振っている。別に空振りしたっていいんですよ。ホームランバッターなんだから」

 あの王貞治ですら若い頃は三振が多く「王、王、三振王」とからかわれたことがある。「角を矯めて牛を殺す」ということわざがあるように、小さな欠点ばかり直そうとすると、長所までおかしくなってしまう。そこに気付き、的確なアドバイスを送ったデーブの腕前は評価されていい。

 中村の課題は三振が多いことよりも、むしろ四球が少ないことと見る。初めてホームラン王になった2008年が53、ホームランと打点の2冠に輝いた09年が52。ちなみに王貞治には四球数100個以上のシーズンが16もある。

 四球数の多さはスラッガータイプの打者にとって、ある意味、最高の勲章である。前後を打つバッターのレベルにもよるが、勝負を避けられるケースが増えてこそホンモノと言える。

 その意味でも、今季はおかわり君の四球数に注目してみたい。四球数が増えれば、自ずと打率も上がる。3割、50本、120打点。彼の“伸びしろ”を考えれば、決して不可能な数字ではあるまい。

「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、昨シーズン、「ジョージア魂」賞にノミネートされた北海道日本ハム・中田翔内野手についても二宮清純の書き下ろしコラムを掲載中!

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