3月24日(木)
◇1回戦
 加古川北、甲子園初勝利を完封で飾る
加古川北(兵庫)   4 = 000020110
金沢           0 = 000000000
 今大会屈指の剛腕、最速152キロを誇る金沢エースの釜田佳直(3年)が初回から実力を発揮し、4回まで三者凡退に切って取る好投を見せた。なかでも圧巻だったのは3回表。7番・佐藤宏樹(3年)、8番・宇治橋佑斗(3年)を連続で見逃し三振に切ってとると、最後は9番・山本貴紀(3年)を3球三振に仕留めた。一方の加古川北エース・井上真伊人(3年)も負けてはいない。毎回のようにランナーを出すものの、打たせて取る丁寧なピッチングで金沢打線を無失点に封じた。

 ゼロ行進が続く中、試合が動いたのは5回表。加古川北は2死から6番・小田嶋優(3年)があわや本塁打かというフェンス直撃の二塁打を放った。さらに小田嶋は、中継が乱れた隙に三進した。この一打に動揺したのか、釜田は次打者に四球を与えてしまう。そして、ここで加古川北が見事なトリックプレーを見せた。一塁ランナーが飛び出し、金沢の捕手・丹保雄志(3年)が一塁へ送球しようとした隙に、三塁ランナー小田嶋がホームへ。すぐに丹保は三塁へ送球し、三本間に挟むも、三塁手からのホームへの送球が小田嶋に当たり、そのまま小田嶋が先制のホームを踏んだ。なおも2死三塁から、8番・宇治橋にタイムリーが出て、加古川北が2点をリードした。

 さらに加古川北は7、8回にも1点ずつを挙げ、その差を4点に広げた。投げては井上が8回まで金沢打線を2安打に抑える好投を披露した。最終回を迎えても、井上はリズムを崩さなかった。先頭の2番・吉田を3球三振に切って取ると、3番・中村優作(2年)を見逃し三振に。最後は4番・石田翔太(3年)をセカンドゴロに打ち取り、完封でチームを初勝利に導いた。


 波佐見、春初出場初勝利
横浜         1 = 000010000
波佐見(長崎)   5 = 20002010×

 1回裏、横浜の2年生エース山内達也が制球を乱し、いきなりピンチを招いた。先頭の山口優大(3年)に三遊間を破られると、2者連続で四球を出し、無死満塁としてしまう。次打者を内野ゴロに打ち取り、まずは1死を取るも、2者連続で四死球を与え、押し出しで2点を失った。横浜は5回表、相手守備の乱れから1点を返す。ところがその裏、またも山内の制球が乱れる。先頭の2番・橋口隼(3年)に内野安打を打たれると、3番・小峰史也(3年)には二塁打を浴び、無死二、三塁のピンチとなった。ここで山内が痛恨のワイルドピッチ。またも自らのミスで1点を献上した。さらに2つの四球で2死満塁とすると、8番・神崎琢也(3年)に両者通じて初のタイムリーを打たれて1点を失った。7回表には代わった柳裕也(2年)が7番・柴山にタイムリーを打たれ、5点目を奪われる。

 4点ビハインドの横浜は最終回、粘りを見せた。先頭の近藤が相手内野エラーで出塁すると、途中出場の宮川征也(3年)がヒットを放ち、無死一、二塁とした。しかし、後続が続かなかった。6番・樋口龍之介(2年)は見逃し三振に倒れると、最後は代打・金原悠真(3年)が遊ゴロに。6−4−3のダブルプレーでゲームセットとなった。結局、横浜は波佐見を上回る8本のヒットを打ちながら、あと1本が出ず、5回に挙げた1点に終わった。

 天理、3大会ぶりに初戦突破
大館鳳鳴(秋田)   0 = 000000000
天理(奈良)      8 = 10000403×

 この試合のハイライトは3回裏だった。天理は先頭打者の8番・東田幹啓(3年)がチーム初安打となる二塁打を放つと、次打者は投ゴロに倒れるも、1番・西浦幹啓(3年)が四球で出塁し、1死一、二塁とした。ここで2番・岡部遼(3年)がセーフティバントを試みる。これを大館鳳鳴の捕手・成田秀(3年)の送球が打者走者に当たり、ボールはファウルグラウンドへ。この間に東田が先制のホームを踏んだ。ここから天理打線が本領を発揮。怒涛の4連打で5点を追加すると、2死からもタイムリーが出て、この回一挙7点を奪う。続く4回裏にも、代わったばかりの大館鳳鳴2番手の湯沢健太(2年)から1点を奪い、その差を8点と広げた。投げては先発の中谷佳太(2年)が毎回、ランナーを出すも要所を締め、7回まで無失点に封じた。

 ところが、8回表からマウンドに上がった天理のエース西口輔(3年)の制球が定まらず、自らピンチを招く。1死一、三塁とした8回は4−6−3のダブルプレーで凌ぐも、続く9回表も四死球で無死一、二塁とした。しかし、最後はエースらしく力でねじ伏せた。1番・篠村、2番・吉田隼斗(3年)を三振に切ってとると、3番・小貫慧太(3年)はショートフライに打ち取り、ゲームセット。天理は完封リレーで3大会ぶりの初戦突破を果たした。