4月2日(土)
◇準決勝
 エース三好、先制弾&完投
九州国際大付(福岡)     9 = 203100012
日大三(東京)          2 = 100000100
【本塁打】
(九)三好
 初回、両打線が相手エースの立ち上がりを攻めた。まずは九州国際大付は先頭の1番・平原優太(2年)が四球で出塁した。だが、2番・安藤彰斗(3年)がバッターボックスから足が出ていたことで守備妨害を取られる。この嫌なムードを一掃したのが3番・三好匠(3年)だった。三好はフルカウントからの6球目、真ん中低めの直球をうまくすくいあげ、レフトスタンドへ運んだ。エースの一発で九州国際大付が2点を先制した。
 その裏、日大三は先頭の1番・高山俊(3年)が三塁打を放つと、1死後、3番・畔上翔(3年)がタイムリーを放ち、1点を返した。準々決勝で6打数6安打をマークした畔上はこれで7打数連続でのヒットとなった。

 2回以降は、両エースの明暗が分かれた。完全に立ち直りを見せ、5回まで1本のヒットも許さない九州国際大付の三好に対して、日大三の吉永は制球に苦しみ、九州国際大付打線に攻め立てられた。
 3回表、九州国際大付は2死一、二塁から準々決勝は無安打に終わっていた5番・龍幸之助(2年)が走者一掃のタイムリー二塁打を放った。続く6番・花田駿(2年)にもタイムリーが出て、この回一挙3点を奪った。さらに4回表にも1点を追加した九州国際大付はその差を5点に広げた。

 日大三は6回裏、2死ながら満塁と大きなチャンスをつくるも、6番・菅沼賢一(3年)はファーストへのファウルフライに倒れた。だが、7回裏、2死無走者から9番・鈴木貴弘(3年)が二塁打を放つと、当たっている1番・高山がタイムリーを放ち、1点を返した。
 しかし、日大三のエース吉永が九州国際大付打線の勢いを止めることができない。8回表に1点を失うと、9回表にも2点を追加され、その差を7点と広げられた。

 一方の九州国際大付のエース三好は最後まで落ち着いていた。9回裏、簡単に2死を取ると、最後は9番・鈴木を高めの直球でセンターフライに打ち取った。三好は7安打を打たれながら2失点完投、打線も13安打9得点をマークし、投打のかみ合った九州国際大付が同校としては初、福岡勢としては57年ぶりの決勝進出を決めた。


 選抜史上初の1試合2本の満塁弾!
東海大相模(神奈川)   16 = 213402400
履正社(大阪)        2 = 200000000
【本塁打】
(東)森下、田中

 昨夏に続いて決勝進出を狙う東海大相模と、勝てば春夏通じて初の決勝となる履正社との対戦は、予想とは裏腹にワンサイドゲームとなった。初回、まずは東海大相模が1死から2番・臼田哲也(3年)が二塁打で出塁すると、3番・田中俊太(3年)のタイムリーで先制した。さらに2死三塁から5番・菅野剛士(3年)が二遊間を抜けるヒットを放ち、東海大相模に2点目が入った。その裏、履正社は1死から怒涛の4連打ですかさず試合を振り出しに戻した。しかし2回以降は毎回のようにランナーを出すも、東海大相模のエース近藤正崇(3年)の前に、あと1本が出ず、追加点を奪うことができなかった。

 一方、東海大相模は2回以降も打線が猛打をふるい、履正社を引き離していった。2回表、東海大相模は長打2本で1点を挙げ、再びリードを奪う。続く3回表にはヒットと死球で1死一、二塁とすると、代わったばかりの履正社2番手の原将太(3年)から6番・森下翔平(2年)が走者一掃の2点タイムリー、さらに7番・磯部遊斗(2年)にもタイムリーが出て、この回一挙3点を奪った。中盤以降も東海大相模の打線の勢いは止まらなかった。4回表には6番・森下が満塁弾を放つと、6回表にも2点を追加。さらに7回表には3番・田中にも満塁弾が飛び出し、その差を14点とした。1試合で1チームから2本の満塁弾は選抜史上初めて。

 なんとか一矢報いたい履正社は8回裏、1死から初回以来となる連打が出て一、二塁とチャンスをつかんだ。しかし、後続が続かなかった。6番・坂本誠志郎(3年)、代打・小保根誠(2年)が外野フライに倒れ、ランナーを返すことができなかった。それでも5回からマウンドに上がった履正社のエース飯塚孝史(3年)は9回表を、この試合初めての三者凡退に切ってとり、エースとしての意地を見せた。

 その裏、東海大相模は2番手・笠間圭(2年)をマウンドに上げた。188センチの長身の笠間は角度あるボールで2者連続でセンターフライに打ち取るも、ここから2者連続で四球を与えてしまう。しかし、最後は3番・石井元(3年)を高め直球でセンターフライに打ち取り、この回を無失点に封じた。20安打16得点の猛攻を見せた東海大相模が準優勝した昨夏に続いて2季連続での決勝進出を決めた。明日の決勝では2000年以来となる優勝を目指し、九州国際大付(福岡)と対戦する。