米男子ゴルフの「マスターズ」は日本時間11日、最終日を迎え、3度目の出場で初の決勝ラウンドに進出した石川遼は、この日、2つスコアをあげ、通算3アンダーとして20位タイに入った。また日本人アマチュア選手としては初めてマスターズの舞台を踏んだ松山英樹は、2つスコアをおとしたものの、通算1アンダーで27位タイ。4日間を見事、アンダーパーで回り、最高成績を収めたアマチュア選手に贈られる「ローアマチュア」に花を添えた。優勝は2位でスタートしたシャール・シュワーツェル(南アフリカ)。ラスト4ホールで4連続バーディを奪い、通算14アンダーでメジャー初制覇を果たした。タイガー・ウッズ(米国)は猛追を見せて一時は首位に並んだが、後半に伸び悩み、通算10アンダーで4位タイだった。
 今後につながる最終日だった。3日目を終えて通算1アンダーだった石川は、2番でセカンドショットをピン側1メートル以内につけ、マスターズでは自身初のイーグルを奪う。しかし、4番でダブルボギー、6番でボギーを叩き、スコアはイーブンパーに。それでも前日4パットと苦しんだ15番で2オンしてバーディを決め、息を吹き返す。最後はラスト2ホールを連続バーディで締め、4日間の戦いを終えた。

 20位タイ、3アンダーという成績はマスターズも含め、メジャー大会で最高の結果だ。「20歳でマスターズ制覇」という夢を叶えるには来年の大会が勝負になる。19歳は大きな目標に向け、確かな一歩を踏み出した。

 ホールアウトした松山はグリーンジャケットを獲得したシュワーツェルらとともに、晴れの表彰式に臨んだ。セルヒオ・ガルシア(スペイン)ら、後のトッププロも手にしたシルバーカップを笑顔で受け取る。予選を突破した時点で「ローアマ」の受賞は確定していたが、決勝ラウンドでも、それにふさわしいゴルフを見せた。

 前日の3日目には5バーディ1ボギーの68をマーク。日本人で60台のスコアを出したのは、史上9人目の快挙だった。この日はさすがに連日の疲労が出たのか、後半に入って連続ボギーを叩き、イーブンパーまで後退する。しかし、最終18番ではセカンドショットをピン側3メートルの位置につけ、見事バーディ。詰め掛けたパトロンからスタンディングオベーションを受けた。在籍する東北福祉大のある仙台市は今回の東日本大震災で大きな被害を被った。一時は本人も参加するか迷った大会だったが、そのプレーは被災地に間違いなく元気を与えたはずだ。