池田、金丸、醍醐や世界選手権代表に内定 〜陸上日本選手権〜

男子400メートルは金丸祐三(法大)が45秒64で3連覇、同走り高跳びの醍醐直幸(富士通)も2メートル21で3連覇を果たし、それぞれ世界選手権代表に内定した。
(写真:男子400メートルを制した金丸選手)
女子5000メートルはスタート直後に転倒するアクシデントがありながらも福士加代子(ワコール)が優勝、1万メートルと合わせて4年連続2冠を達成。男子3000メートル障害は岩水嘉孝(トヨタ自動車)が制した。男子100メートルは塚原直貴(東海大)が10秒34で2連覇を果たし、世界選手権参加標準記録A(10秒21)を切っているベテランの朝原宣治(大阪ガス)は2位だった。
このほか、女子200メートルは信岡沙希重(ミズノ)が先行する400メートル覇者の丹野麻美(福島大)を終盤に逆転し、4連覇を達成。同400メートル障害は、昨年、400メートルを制した久保倉里美(新潟アルビレックス)が初優勝。女子円盤投げは室伏由佳(ミズノ)が53メートル81で6年連続8回目の優勝を果たした。
■金丸、3連覇に「ホッとした」
男子400メートルは金丸が45秒64で3連覇を果たした。スタート直前に雨が降り始めたが「雨男なので(笑)自分に運が向いてきたかなと思った」。序盤からグングン加速する積極的な走りで一度もトップをゆずることなくゴールへ飛び込むと、雄たけびをあげて喜びを表現した。
予選タイムでは、山口有希(大阪ガス)、堀籠佳宏(富士通)が金丸を上回った。「山口さん、堀籠さんがライバルと思っていた。3番でも内定がもらえればいいかなという弱気になりそうな自分をおさえて、『勝とう、勝とう』と思っていた」と胸のうちを明かし、「ホッとしました。夢にまで出てきた(代表の)内定がとれてうれしい」と笑顔を見せた。
世界選手権に向けては「僕の走りが一番印象に残ったと言ってもらえるような走りをしたい」と力強く語った。

3年連続4度目の優勝を果たし、世界選手権内定を決めた池田だが、笑顔はなかった。7メートルへの期待がかかり、今シーズン、本人も手ごたえを口にしていたが、6メートル59は、4度の優勝の中で一番低い記録だ。試合後、池田はアップした助走スピードに踏み切りのタイミングを合わせることに苦心していることを明かした。世界選手権に向け、欧州を転戦する予定だが、師である川本和久コーチは不在となるため、1人で戦うことになる。
「新しい課題を抱えたまま、ヨーロッパに行かないといけない。世界選手権でメダルを獲るために、覚悟をして臨まないと…」。そう語ると、思わず涙を見せた。
■醍醐、「大阪では2メートル35を跳んでメダルを」
男子走高跳の醍醐は、2メートル27を失敗し、2メートル21に終わった。東日本実業団後、かかとを痛めたことを明かし「全助走の練習ができなかった。徐々に良くしていこうと思ったが、コントロールできなかった。(2メートル)27に挑戦できたので最低限のことはできた」と振り返った。
昨年のこの大会で日本記録を樹立。「今年も記録を出してやるぞという気持ちがあったが、調整がうまくできなかった。バネをためようと休養しすぎたところもある」と反省の弁も口をつき「自分はまだまだこんなもんじゃないと思っている。本番では2メートル35を跳んでメダルを獲りたい」と力強く宣言した。