缶コーヒーブランド「ジョージア」は、2011シーズンもプロ野球12球団と提携、さらにNPBパートナー契約を締結し、“選べ、チームのためのベストプレー”をコンセプトに「ジョージア魂」賞の表彰を実施しています。このたび第2回の「ジョージア魂」賞が決定しました。今回は北海道日本ハム・中田翔内野手が5月3日(対オリックス戦)にみせた走者一掃の勝ち越しタイムリー3塁打へ賞が贈られます。

(写真:ライトに運ぶ右打ちをみせ、成長の証を示した)
 今回の「ジョージア魂」賞は、4月22日から5月5日にかけて行われた公式戦から山田久志氏(元阪急)、高木豊氏(元大洋)、伊東勤氏(元西武)、栗山英樹氏(元ヤクルト)、柳本元晴氏(週刊ベースボール編集長)、二宮清純(当HP編集長)の6名の選考委員によってノミネート6プレーが選出され、「ジョージア ベースボールパーク」のサイト上のファン投票によって決定しました。中田選手のプレーには、総投票数163,836票中、最多の41,178票が集まりました。

 また「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラム「あのプレーにアンコール!」のコーナーが更新されました。受賞プレーはもちろん、ノミネート6プレーの中から二宮がイチオシしたものに関して、それぞれコラムを掲載します。当サイトでは、その中から二宮が推薦した福岡ソフトバンク・森福允彦投手(4月23日、守護神の乱調を助ける好リリーフ)のコラムを特別に掲載します。

  福岡ソフトバンク・森福允彦「ホークス栄光の背番号19」

 失礼ながら、球場ですれ違った時、どこのボールボーイかと思ってしまった。
 身長171cm、体重65キロ。プロ野球選手としては小柄で華奢である。
(写真:5月1日にはわずか1球でプロ初セーブをマーク)

 そんなどこにでもいそうな24歳の若者はマウンドに上がった途端、とてつもなく大きな存在に映る。打者に背中を向けるような極端なセットポジションから、球の出所を隠すように腕を体の後ろに入れ、サイドハンドから140キロ台のストレートにスライダー、シュートを操る。

 ここまで17試合に登板し、3勝0敗1セーブ、防御率0.00。昨季の後半から頭角を現した左腕は、今や首位を快走するホークスの貴重なセットアッパーである。
 しかも、緊急登板でも決して動じない。4月23日の千葉ロッテ戦では最終回、抑えの馬原孝浩が2点リードを守り切れず、なおも1死1、2塁とピンチを背負ったところでマウンドへ。守護神を打ちこんで意気上がる相手の後続を断ち、その裏のサヨナラ勝ちにつなげた。

 6月1日の中日戦では、6回1死1塁の場面、先発の和田毅が打球を受けて降板するアクシデントを受け、出番が巡ってきた。ここでも1塁走者を冷静に牽制で刺すと、そのまま1回3分の2を無失点。チームが苦しい時にお呼びがかかるのは、それだけ首脳陣の信頼が厚い証拠だろう。

 2007年、シダックスから大学生・社会人ドラフト4巡目でプロ入りした。社会人時代の恩師は、東北楽天元監督の野村克也である。
 野村はシュートの習得をピッチャーの必修科目にしている。ヤクルトの監督時代には川崎憲次郎にシュートを覚えるようアドバイスし、見事、最多勝に輝いたのは有名な話だ。

「最近のバッターはシュートを打つのがヘタくそや。いや、現役時代のオレだってシュートには手こずったもんだよ。インコースに真っすぐがくる。しめた! と思ってバットを振ると、そこから内側に食い込んでくる。バッターにとって、これほど厄介なボールはない」

 もちろん森福も例外ではない。高校時代、真っすぐとスライダーが軸だった左腕は新たな武器を手に入れたことでピッチングの幅を広げた。昨季からは右打者のアウトコースにもシュートを投げ、うまく引っかけさせることにも成功している。今季の成績を見ると、対右打者の被打率が.128と、対左(.167)よりも低い。

 背番号は19。師が現役時代につけていた番号を受け継いだ。入団当初、野村はこうボヤいていたものだ。
「ホークスの19番は誰の番号か知ってんのか? 荷が重すぎるやろう」
 だが、かつての名捕手が背負った栄光の背番号は、今やマウンド上の教え子によって新たな輝きを放ち始めている。

「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、受賞した中田翔選手についても二宮清純の書き下ろしコラムを掲載中!
 現在、第3回「ジョージア魂」賞ファン投票も合わせて実施中です。福岡ソフトバンク・松田宣浩内野手、東京ヤクルト・ウラディミール・バレンティン外野手、千葉ロッテ・岡田幸文外野手、阪神・上本博紀内野手、中日・佐伯貴弘内野手、埼玉西武・栗山巧外野手の6プレーがノミネートされています。ぜひ投票に参加してみてください。

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